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ロマンの木曜日
 
兵庫加古川かつめし巡り


これがかつめし。見た目の攻撃力がものすごい。

かつめしという食べ物を知っているだろうか。 兵庫県は加古川市のご当地グルメで平皿の上にご飯を盛り、 その上にカツを載せデミグラスソースをかけたもので それを箸で食べる。付け合わせは茹でキャベツが一般的だ。

これが加古川では本当にメジャーな食べ物でどんな店でも 言えば出てくるんじゃないかと思うくらいにかつめし屋が 多い。なのに加古川を一歩離れると全く食べられなくなる という幻のようなこのかつめしを食べ歩いてきた。

尾張 由晃



さっきの続きです

と、仕切り直してみたがいかがだろう。姫路にカツの名物が無かったんだからしょうがない。こういう場合は切り替えが大事だ。さっと切り替えてかつめしに的を絞ろうと思う。なら、さっきの部分書くなよという声は聞こえない。

というわけで早速加古川に到着した。


加古川駅です


すごく多い、かつめし屋

加古川駅でかつめしマップなるものがもらえるそうなので行ってみる。そこでマップをもらって驚いた。


めちゃくちゃ多い。
下のキャラはアンパンマンには出てこない。

こんなに多いか、かつめし屋!
名物といっても一部の店でやってるだけでこんなに多いと思ってなかった。マップに載ってるだけで100店以上。ちょっとこれは凄いんじゃ!?かつめしに対する気持ちが変わる。

 

正直すぎる観光協会の人

こんなにいっぱいあるかつめし屋。加古川ではさぞ人気の食べ物なんだろう。マップをくれた観光協会のおばさまにお話を伺った。


街のいたる所にかつめしが。
ラッキーかつめし

僕「こんなにかつめし屋さんが多いとは思ってませんでした。やっぱりよくかつめしを召し上がるんですか?」

おばさま「若い人らはかつめし行こかーいうて人気やけどこの歳なると食べへんわ」

僕「食べないんですか!?」

おばさま「昔はよぅ食べよったけど最近はちょっと重てね」

正直だ。確かにカツにデミグラスソースをかけた物は年を取ってからは厳しいかもしれない。


オムライスのお店って言ってるのに
かつめしはある。

僕「加古川ではこんなに多いのに他の地域では全く見られなくなるのは何故なんでしょうか?」

おばさま「どしてやろねぇ?不思議やねぇ」

僕「分かんないんですか?」

おばさま「前までは隣の高砂市でもかつめしを名物やぁ言よったんやけどにくてん(お好み焼きみたいな料理)が有名になってからはお店も減ったねぇ」

やっぱり正直。名物あらそいに勝ったのか負けたのか。いや、そんな事は気にしてなさそうだ。


トンカツ屋さんでは確実にあるだろう。
かつライスらしい。

僕「これだけいっぱいあるとどこに行こうか悩むんですがお勧めはありますか?」

おばさま「いやー、私はどこがお勧めとか言うたらアカンから色々食べて見てくださいとしか言われぇせんのよ。カツも牛、豚、鳥とあるし、ソースも 全然違うから人の好き好きでおいしい店も変わってくるしね」

僕「いろいろ食べてみますね、ありがとうございます」


割烹っぽいのに。

まずかつめし。この店には5000円を超えるかつめしがあるとか。


凄く正直だった加古川の人。かつめしの起源を調べると、ビフカツの皿が無かったからご飯と一緒に出したとか。「皿が無いから一緒に盛っていいですか?」さっきのおばさまならば言いそうだ。素朴な人柄が現れた料理かつめし。凄く食べたくなったぞ。

 

かつめしはガッツリ系

まず伺ったのは一勝さん。看板の牛がいい感じ。


店名の前のポールがうらめしい。


凄く賑わう店内で皆が頼むはもちろんかつめし。

「二枚乗り頂戴」「大盛りで」

そんな声がよく聞こえる。かつめし食べるときはガッツリと。そんな料理なんだろう。


かつめしだけでメニューたくさん。

 

ソースかけ過ぎかつめし

待っている間に気になったのがテーブルに置かれたソースの使い方。横の夫婦がビックリするほどソースを使うのだ。

「おいしいね」そう言いながら旦那さんのかつめしにソースをかける奥さん。ドボドボドボドボ。無言のおじさん。

「頼んだ量ちょうど良かったね」そう言ってまたソースをかける奥さん。ドボドボドボドボ。一心不乱に食べているおじさんの表情から感情は読み取れない。

そんなにかけるか!?おじさんの皿はソースまみれだ。

おじさん「色々かつめし屋はあるけど、やっぱこの味や!」

そうなのか!?それソースの味じゃないか!?食べたことのない僕には何とも言えない。


うぉー!!


そうこうしているうちにかつめしが届けられた。
目の前に置かれた瞬間にグワッとテンションが上がる。
なんなんだ、この人を魅了するルックスは。


薄く、さっくりと揚がった牛カツ。


さっくりと揚がった衣に包まれた牛肉がとても柔らかい。かけられているデミグラスソースはとても濃厚。デミカツ丼のような酸味はなく、バターの香りが広がる正統派の洋食といった感じ。それを箸でガガッといただく。

あぁー美味い。更にソースもかけてみる。あぁ、これ合うわ。デミグラスソースの深いコクとソースの爽やかさが上手く混じり合う。今なら分かるソースをかけるおじさんの気持ち。でもやっぱありゃかけ過ぎだ。


一勝

住所: 兵庫県加古川市加古川町木村191-4
電話番号: 079-422-2379
営業時間: 11:00-20:00

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