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フェティッシュの火曜日
 
反射材でファッションショー


「ピッカリいってるだろう?」ショー

「交通安全協会が毎年ファッションショーを開催している。」そうだ。お、なんだそれは。

それだけで食指が動くというものだが、まだある。「しかも反射材でファッションショーをしている。」さあ、どうだろう。

オーレオレオレオレー♪心のJリーグが今開幕したのではないだろうか。

なぜだ。あんなピッカリしたものでなぜファッションショーなんだ。どんなことになってるのかぜひ見たい。見たいと思ったら池袋に。毎年10月後半の池袋で見られるのだ。

(text by大北 栄人



最前列に陣をとるおえらいさん。後ろには子供たち。

ピーポくんは声が高かった

会場に着くと報道陣がたくさんいた。なんだと思ったら高橋克典が壇上に上がっていた。

警視庁のマスコット・ピーポくんもいる。そして喋っている。影アナというのか、ピーポくんの声も会場で生で流れていた。

ここで初めて知ったが、ピーポくんの声はおどろくほど高い。イルカが喋っているのかと思うほど高い。

しかし今考えるとピーポくんが何喋っていたのか聞き取れていたわけだし、そこまでではなかったのだろう。ただ印象に残るほど漫然と高いとわかったことで得した気分になった。

 

おえらいさんも特命係長・只野仁の前ではよい子然としている

さすが特命係長

反射材があるとドライバーから見えやすいので安全だ、具体的な例や数字を交えて高橋克典は理解していく。

「反射材よりこの人(ピーポ)の方が目立っちゃってるよね」

時折笑いを交えながら高橋克典は反射材の意義を理解していく。池袋、午前11時。私は今、ここで何してるんだろう?という時間だった。

ああ、反射材だ。じゃあその反射材ってなんだっけ?というとこういうものだ。


ビフォア
アフタァーッ!!(『大改造!!劇的ビフォーアフター』より、観たことがないので憶測で引用)

反射材の売店は意外と大盛況。世の関心度は高いのだ。

反射材とは見せパンである

もう世の中にはこれ以上反射材グッズがないんじゃないか、というほど反射材グッズがあった。

改めて反射材というものを手にとってみてわかったのだが、光がまっすぐ返ってくるのだ。(再帰性反射というらしい)

どういうことかというと隣の車がヘッドライトを反射材に当てても私の目には反射してこないし、その逆もしかり。あの輝きは自分から発した光によるものなのだ。

びかびか目立っちゃって恥ずかしいでしょ?と思われてた方、ご安心ください。光って見えるのは見えた側に光があるから、「やらしい目で見る方が悪い」という見せパン理論、適用できます。


犬で!リストで!反射材!三つの要素が絡み合いどれだけニッチなんだという商品だが需要はけっこうあった

各イスにはミニライトがとりつけられている

さあショーの始まりだ

お目当てのファッションショーはイベント早々に行われる。

会場のパイプイスにはミニライトがとりつけられていた。まさか、そう、そのまさかである。

このライトを使って反射材をビカビカに光らせようというのだ。より光った者がファッショナブル。このライトのおかげでファッションの尺度に光るか光らないかが持ち込まれた。

そしてファッションショーが始まる。高橋克典が帰って報道陣もがっつり減ったが、もったいない。特命係長を超えるであろう原石はここから始まるのに。


こうやって出演者の服を照らしてみましょう、と。ためしに司会のお姉さんを照らしてみると…
光った!チェックの服が光った!一気に57〜200m先でもドライバーが視認できるほどの名司会に。

いよいよファッションショー開始。普通のおしゃれな服を着ているが…

光を当てるとま、まぶしぃーっ!


あら〜、光ってるわ〜、とみんなライト片手に

なんだこれは!?

出演しているモデルさんはワハハ本舗の芸人さんだったり(女の子は一般の方)、パリコレを経験してたりするデザイナーを起用したり本気のファッションショーだ。

ただそれが普通のファッションショーよりも暗い国道における200m先からの視認性においてちょっとだけすぐれている、というだけなのである。

想像してみよう。長距離を運転して夜が明けようというころ、眠気もピークになったトラックドライバーがうつらうつら…あ!ファッションショー!ブレーキ、キキィーッ。

こうして今日もファッションショーに死傷者が出ることはなかった。よかったよかった。(なんだこれは!)



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