岩手はすっかり寒い。先日半袖のダウンを着てでかけようとしたら、裏返しに身につけていた。チャックが閉めづらいということで気づいたわけだが、着ている本人からしてみれば、それ以外あんまり違和感がなかった。 世の中にはリバーシブルの洋服というのがあるわけだが、別にそうじゃなくても、自分で「これは裏返しに着ても大丈夫だ」と思えれば、もうそれはリバーシブルの衣類ということでよいのではないか。 そんな目論見でいくつかの服を裏返しに身につけ、リバーシブルとして着こなすための具体的な対策にも迫ってみた。
(櫻田 智也)
さっそく裏返していこう
これ以上の前置きは必要ないので、どんどん試してみたい。
この格好で記事に登場するのも久しぶりだが、イントロで書いたように岩手はすっかり寒い。夜ともなれば家ではこのスタイルだ。
ちゃんちゃんこを裏にして着てみる。ぜんぜん問題ない。端はしの縞模様が逆にアクセントとなってスタイリッシュだ。
裏返してみて気づいたのだが、ちゃんちゃんこには内ポケットがついていた。裏返せばこれが表ポケットとなり具合がよい。というか、もしかしたらこのちゃんちゃんこ、元々リバーシブル仕様なのではないか、そんな気さえしてきた。
ただ難点は多量の毛玉だ。藍色一色の地は表面に比べ格段に毛玉が目立つ。 だがこれについては、「まるで星空みたい」と思うことで、デザインのひとつに感じられるようになった。
つづいては中に着ていたトレーナーを裏返してみる。いったいどんな感じになるだろう。
このトレーナーに関しては特筆すべき点があった。裏地がパッと見フリース素材のような質感をかもしだしていて、裏返したほうが見た目の温かみが増すのだ。
そんなわけでこれもリバーシブル採用と思われたのだが、
首の後ろのタグが、裏面であることを主張している。この「タグ問題」については後でなんらかの対策をうつことが必要だろう。とりあえず一旦保留して進めたい。
ズボンはどうか
上着だけでなく、ズボンがリバーシブルに使えても便利だろう。
出ちゃってる。なんか白い布がべろっと出ちゃってるのだ。
ポケットの裏地がベロベロしていたり、あらぬ所をいじっているようにみえたりと、タグに次いでポケットという問題が浮き彫りになった。 しかしながらコレに関しても、ファッションの一部ということで押し通せなくもない。 たとえばカフェでみかける「ショート丈のギャルソンのエプロン」のようにもみえるわけで、そもそも今回の企画の根幹にあるのは精神論的発想なのだから、強気でいくことが肝要だ。
濡れた手でハンカチをポケットからとりだすのはけっこう面倒な作業だ。このファッションであればポケットの裏地ですぐ拭くこともできる。裏返すことで発揮される機能性。リバーシブルとしての面目躍如といったところか。なんのこっちゃ。