動物VSニセ者
格好が飼育員みたいになると気持ちも飼育員みたいになり、 途端に動物愛護の心が目覚め、園内の動物たち一匹ずつ声をかけていきたくなる。 よしよし元気かお前たち。外見だけでなく内面も飼育員になりきって、普通の服装のときに見たでかいハトみたいな鳥の檻の前にいく。
この鳥はさっき一度見ただけなのに、いまでは長年の付き合いみたいな気持ちだ。 「ヒナのときから育ててるんです」そんなウソも爽やかに言える。
ここまでの思いがあれば檻を突き破らんばかりに飛びついてくるはずだ。そして本心では「鳥は知能があまり高くないから騙されるんじゃないか」とも思っている。 |