地球シミュレータと呼ばれるスーパーコンピュータがあるらしい。
パンフレットを見るとずらりと並んだコンピュータらしきものの上に地球が浮かんでいる。まあ、イメージ通りなんだけど、本当にそんな安易なビジュアルなのだろうか。
見学できる機会があったので見せてもらってきました。全然違いました。
(安藤 昌教)
一度に入れるのは15人まで
地球シミュレータがあるのは海洋研究開発機構横浜研究所。実はこの施設、横須賀本部で行われたイベントを以前取材させてもらったことがあり(鉄の鱗を持つ貝がいる)、それがすごい楽しかったので今年の開催を心待ちにしていたのだ。
今回のイベントも深海の生き物だとか掘削船だとか海中の地層のはぎ取り標本だとか、面白い展示物が目白押しで、ぐるりと半日掛けてまわったのだけれどまだ足りないくらいだった。
これだけ見ただけで満足してしまいそうだが、今回の目玉はなんといっても地球シミュレータだ。これには見学ツアーが組まれており、毎回15名ずつ(全7回)という抽選に当らないと見ることが出来ない。僕は事前に取材申請しておいたら「報道枠」として入れてもらえることになった。言ってみるもんだ。
ツアーに参加する前に地球シミュレータに関する注意事項を書いておきたい。報道枠として。
・電波を発する機器は全て持ち込み禁止 ・途中で大きな音(電車のガード下より大きい)の出る所を通ります・人体に影響のない程度の電磁波を受ける可能性があります
さすが地球シミュレータ、思った以上にハードな環境である。抽選会場にいた係の人になぜ一度に15人までしか入れないのかと質問すると。
「それ以上入ると室温が変化して計算結果に影響を及ぼす可能性があるからです」と言われた。
どれだけデリケートなのか。
運良く抽選に当った方々は別室へと案内され、そこで地球シミュレータの概要をざっと説明される。
下の写真で赤いヘルメットをかぶっているのがくじに当った見学者。対して白いヘルメットが主催者側だ。
スケールがとにかくでかい
この説明会で学んだこと。
・地球シミュレータ専用の建物はフロア面積がテニスコート4面分の広さある ・コンピュータを冷やすための空調は毎時14万立方の冷気を送る。それが全部で24機ある ・シミュレータが使う電力は一般家庭6000戸分 ・内部で使っている光ファイバの配線は全長220キロ
データを教えてもらっても数字がいちいちでかすぎてピンと来ないわけだが、すごいということだけはわかる。地球シミュレータは税金の無駄使いだとか言われることもあるようだが、文句言う前に一度見に来た方がいい。そこに関わっている人たちの熱意に触れると感じ方が変わることもあるので。
さて説明が終わるといよいよ地球シミュレータの内部に潜入です!