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はっけんの水曜日
 
「UFOの里」は福島県にあった

UFOや宇宙人っていっぱいいるんだね


奥へ進むと、ズドーンと巨大なUFOが「母艦」といった佇まいで鎮座していました! なんとコレ、段ボールで出来てるんですよね。


『TVチャンピオン』の段ボール王とイルミネーション王のコラボによって誕生したものらしいです。

なんでこのふたりがコラボしてUFOを作ることになったのかは不明ですが。……福島出身の人だったりするんですかね?


段ボール製巨大UFOの他にも、その昔ジョージ・アダムスキーという人が乗ったということで有名になった、もっとも一般的な形のUFO「アダムスキー型UFO」や。


同じくアダムスキーが発見した「葉巻型UFO」。

……どうでもいいけど、コレはただ単に飛行船を見間違えただけじゃないんですかね?


さらにプレアデス星雲から飛来したという「type-3クラフト」の模型などが展示されていました。

この辺の説明は書き出すとキリがないので、興味がある人は各自ググッてください。もちろんニフティのアット・サーチでもいですけど(媚びを売っておく)。


まだまだ、こんなにUFOの種類はありますからね!

そして……。


ああーっ、いたッ! 宇宙人。やっぱりUFOときたら宇宙人もいなきゃですよね。


なんじゃこのヘンテコな顔!?

解説によると、アメリカのウエストヴァージニア州で目撃された「光る目の巨人」という名の宇宙人らしいです。


こちらはまた、テッカテカでカエルみたいな気持ち悪い宇宙人ですね。

アメリカのケンタッキー州で目撃された「ヒューマノイド・円盤怪人」という名前らしいです。なんと、猟銃の弾が命中しても死ななかったんだとか。


あ、またお会いしましたね。入口にもいた、なんとも気の抜けた落書きみたいな顔の宇宙人!

その名も……。


「ヒューマノイド・頭でっかち宇宙人」

……。名前もすさまじく気が抜けていますね。


うーんと、コレは……?


……宇宙人ではないようですね。

つーか、なんで置いてあるんだろ、コレ。

その他にも大量のUFO関連グッズが展示されているんですが、特に僕の心を打ったのはコレでしょうか。


……多分、写真を見ただけじゃ何が何やらよく分からないと思いますので、順を追って説明していきますね。

まず、この薄汚い段ボール箱みたいなのが「空気大砲」です。

でんじろう先生の実験でよく使ってる、両側をボーンと押すと前面の穴から空気がドーンと出てくるっていうヤツですね。

そしてこの、UFOの上にある赤い物体……。UFOがボーボー燃えているということなのか、燃えさかる隕石がUFOにぶつかりそうになっているのか分かりませんが、まあとにかくコレを狙って空気大砲を撃つわけです。

で、見事に空気が命中すると、このように赤い物体がパタリと倒れて。

宇宙人が「Thank you」と言ってくれるという……ゆ、ユルイ!

しかも、空気大砲がベッコベコになってしまっているため、一生懸命押しても全然空気が出てきませんでしたけど。

UFOふれあい館誕生のきっかけはあの総理!?

しかし、やはり気になるのがどうしてこんなところにUFOの施設を作ったのかということ。

その辺のことを館長さんに聞いてみました。

竹下内閣が各地町村に対して、地域振興のために一億円をばらまいた「ふるさと創生事業」!

使い方は各自治体にお任せだったため、地方振興のために堅実に使った自治体から、一億円をもらったはいいけどどうしよう……ということで困ったあげく、一億円全額宝くじに突っ込んだり(もちろんハズレ)、村営キャバレーを作ったり(すぐにつぶれた)、純金のカツオ像を作ったり(後に盗まれた)……と相当マヌケな用途に使ってしまった自治体まで明暗が分かれた「ふるさと創生事業」。

ここ「UFOふれあい館」も、その「ふるさと創生事業」の産物だったとは!

「一億円の使い道をどうしよう、ということでリサーチしたところ、この辺では昔から空に謎の発光体が目撃されているので、ここを“UFOの里”ということにして町おこしに使ったらどうかという話になったらしいんですよね」

ちなみに館長さんはもともと独自にUFO研究をしていて、その経験を買われて館長就任を要請されたのだとか。

「ここにはテレビなどの取材も沢山きていますし、町おこしとしてはまずまず成功してるんじゃないですかね」

確かに「ふるさと創生事業」で調子に乗って作られた施設の中にはソッコーでつぶれてしまった物も少なくないですが、ここ「UFOふれあい館」はなんと平成6年オープンから14年もつづいているんです。いやあ、ただのイロモノ施設ではないですね、スゴイ!

UFOふれあい館の2階はこんなことに

確かに「UFO電磁波のお風呂」という貼り紙がありました。その他にも「宇宙の間・銀河の間」など気になることがいっぱいです。


……ということで2階に上がってみると、いきなりUFO感は皆無になり、健康ランドのような雰囲気に。1階はまあUFOの施設として、2階は地元の人たちが公民館的に使えるようになっているようです。

一億円の使い道として、「UFO推進派」と「UFOなんてふざけたこと言ってんじゃねーよバカヤロー派」との折衷案がこんな形で落ち着いたんでしょうかね。


こういう給湯室がある感じも公民館っぽいです。


……けど「皆さんのUFO館です」という貼り紙には若干の違和感がありますね。


せっかくなので「UFO電磁波のお風呂」に入って行きましょうか。「UFOの里」のれんをくぐると……。


うん、フツーのお風呂ですね。……なにが「UFO電磁波のお風呂」なのかはよく分かりませんでした。


あ、もちろんお風呂上がりには牛乳! ということで牛乳の自動販売機もありますよ。

ますますUFOからかけ離れていってますね。


お風呂の他にも、2階には「宇宙の間」「銀河の間」という広間があります。まあ名前はともかくとして、地元の人たちがお茶飲んでくつろいだり出来るフツーの広間なんですが。


「宇宙の間」の方に飾られていたこの絵がものすごく気になりました。


「未来がこうなったらいいな」って感じで、「ムーンクネクネハイウエー」というUFOの里と月をつなぐ夢の高速道路を描いたもののようです。


ハイウエーの途中には、こんな感じでカプセルがくっついていて、その中に色々な施設が入っています。右の「デ○ズニー宇宙ランド」ってのははまだわかるんですが、左の「ヨンサマホテ…」(多分、ヨンサマホテル)は……。


「ヨンサマ」って、おそらくペ・ヨンジュンさんのことなんだと思いますが、このとんでもないディープキスをかましているふたりのうち、どっちが「ヨンサマ」なんでしょうか?

そして僕、『冬のソナタ』とか全く見ていないんで分かりませんけど、冬ソナの中にこんなハードコアなシーンがあったんでしょうか?

……まだまだ宇宙には謎がいっぱいありますね。

地元と調和した、いい珍スポットでした

UFOをテーマにした施設なんて、いかにも近所で煙たがられている変なおじさんが独断で作っちゃうようなイメージがありますが、ここの場合は地元の人たち主導で作られていて、いい雰囲気でした。

2階がお風呂&公民館みたいになっているというあたりも成功していて、近所にUFO館があってもそうちょくちょく行きたいとは思わないですけど、お風呂がついてたらひんぱんに通っちゃうでしょうからね。

実際、僕が取材に行ったときにも2階には沢山の地元の人たちが集まっていて、みんなに愛されている施設なんだなぁ……と思いました(まあ、1階を見ていたのは僕だけでしたが)。

1階のUFO展示も、相当なUFOマニアもうなるようなコアな資料から、UFO初心者でもゲラゲラ笑えるマヌケ展示まで幅広く取りそろえられていて、UFO的にも満足出来るスポット! みなさんも一度どうですか?

大広間の畳にまでこんな模様が……いやあ金かけてるなぁ

福島市飯野UFOふれあい館
福島県伊達郡飯野町大字青木字小手神森1-299
【電話】 024-562-2002【営業時間】 9:00〜17:00
【休館日】月曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始
https://www.mixpink.com/ufo/ufo_index.html


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