長さ以外のことも言っておかないとニンジンに悪い

先のページでは、結局「ニンジンが長い！」ということしか言わなかった気がするので、他のことも書いておかないと、という気持ちになる。そう、収穫祭ではいろいろなイベントが行われているのだ。

そのうちのひとつ、「大塚人参品評会」はこんな様子だった。

長さや形の美しさを競う品評会。審査員である町の関係者が、出品されたニンジンを見て紙にいろいろとチェックしている。 それらの中でも、私が気になったのは右の写真のニンジンだ。

くねくねと２本に分かれた根がからまっている。なんというか、セクシーではないか。

実際、このニンジンは品評会の結果発表で「恥ずかしかったで賞」という賞を受賞。こういう賞があることからして、比較的ゆるい品評会だったようだ。

出品されたニンジンの中で特徴的な形をしていたのはこれだけだったが、大塚人参を生産している方のブログを見ると、面白いのがたくさん育っている(その１・その２・その３)。 そう、大塚人参は長いだけでなくおもしろいのだ。

いや、そうじゃないだろう。食べ物なのだから、長い、おもしろい、の他にも言うべきことがあるはずだ。

イベント会場の中で最もたくさんの人を集めていたのは、大塚人参を使った料理の無料試食コーナーだ。地元では学校の給食でも出るという大塚人参の炊き込みご飯と、大塚人参が入ったみそ汁が振る舞われる。

これまで長さにはしゃいだり、くねくね度合いを楽しんだりしてきたが、そういえばまだ食べていなかった。並んでもらったものを食べてみた。

…うん、これは、たぶんおいしい！

もろちん、料理全体は地元の家庭料理という感じでおいしい。ただ、ニンジンだけを食べているわけではないので、ニンジンそのもののおいしさという意味でははっきりわかるわけではないのだ。

超長い、おもしろい、たぶんおいしい。大塚人参についてこれまでわかったところはそういうこと。他のコーナーも見てみよう。

大塚人参は長く育つ品種のニンジンだが、スラッとまっすぐ育たないものもあるようだ。 これだけ長いと、収穫時に折れてしまう物も多そう。それゆえ、そのまま商品として出荷できないものも半分くらいできてしまう らしい。そこで、そうしたニンジンを加工した食品がいろいろと提案されていたというわけだ。

こちらも試食ができる。リンゴ果汁と合わせて作ったジュースは、ニンジンの味がかなりはっきりと伝わってくる。これはおいしい。

ゼリーやプレッツェルなどもある中、他においしかったのはジャム。こちらも素材のよさがうかがえる味。素直においしい。

超長い、おもしろい、確かにおいしい。私の中での大塚人参への認識がまた一つ確かなものにレベルアップした。ニンジン嫌いの人には悪い夢のような写真になってしまったかとも思うが、すばらしい野菜だと思う。

販売も試食もたくさんの人でにぎわっていた収穫祭なのだが、一つだけあまり人が寄ってきていないように見えるコーナーがあった。収穫体験受付だ。

500円払えば2本、土の中で育っている大塚人参を収穫させてくれるというこのコーナー。どうしてパッとしないのだろう、楽しそうではないか。そういうわけで、500円払って体験を申し込んでみた。