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ロマンの木曜日
 
都内で人のいない駅前を探す


一種のロードムービーです。

東京に来て驚くのはなにより駅前人口の過密さだ。 新宿、渋谷はもとよりなにもない町でも駅前はそこそこ混雑してて 「こんなとこにもこんなに人が!」といつも驚く。

栄えているのは良いと思う反面、どこへ行っても人がたくさんというのは息が詰まる。 札幌だと中心都市から4、5駅離れればどこもだいたい閑散とした駅前で、 「うわーだれもいないなー」と悲しい気持ちになりつつも、人目を気にせず思う存分走り回れる開放感があった。 あの開放感を久しぶりに味わいたい。

都内でそういう場所はないのだろうか。

小柳 健次郎



人のいない駅前の開放感

駅前というところはその場所の特性上、どうしても人だらけにならざるをえない。 例えば新宿駅なんかはいつもお祭りワッショイ状態である。


もうデフォルトでこんな。(過去記事「人に気づかれやすくなるには」より)
写真の72%が人。

特別ラッシュ時なわけでもなく、昼夜問わずこの人混みだからあらためてすごいと思う。 たぶん頭上で大玉を転がしたら永遠に転がり続ける。

対して人のいない駅前はその静寂さがすごい。


狙わなくても人が一切写らない。
全然踏まれてない地面。

人がまったくいないというのは僕にとっては開放的でもその土地的にはあまり良くないと思うので ここがどこかは伏せておくが、北海道のとある地方都市です。

特にレンガ道の所は、駅から30分歩いても人にも車にもまったくすれ違わないという すばらしい開放感で、思わず駅前を走り回ってしまった。そういうところを都内で探したい。

 

おれが思う開放感を感じる駅前

しかし開放感と言ってもただ人がいなければいいとか、そういう単純なことではない。 それなら港とか工場あたりに行けば済む話。そういうところに行って「人いないわー」なんて言っても 当たり前すぎて全然グッと来ないのだ。

個人的に開放感を感じる駅前というのはこういうの。


開放的だわー

つまり町並みも道路もちゃんと開発されてるけど人だけがいない、 一夜にして村人全員が消え去った村みたいな場所である。

 

乗降者数が唯一の手がかり

そういった場所を都内に求めるのは正直酷かもしれない。 ただ都内でも利用者数が抜群に少ない駅というのはあるわけで、 今回は駅の乗降者数を手がかりに人のいない駅前を探してみたいと思う。

 

亀戸水神:乗降者数3480人(2008年度)


この段階では誰も写ってない。

最初に訪れたのは亀戸水神駅。2008年の乗降者数が3480人と、 都内でもかなりの少なさ。なんだかありがたい名前なのも良い。


静寂を求める男が降り立つ。

ここまでの道中、あまり聞いたことのない路線に乗ったら 車内の人が抜群に少なかったので期待値は高い。

これはいきなり見つけちゃうんじゃないの。


あー人いるー。
車すげー走ってるー。

駅降りて2秒で違うと判断。

「いや全然人いないじゃん」と思われるかもしれない。

確かに都内としては人がいない方だろう。 ただ駅前の狭さと人や車の比率を考えると、大きくて混雑してる駅前と大して変わらないような気がするのだ。

開放感を感じる駅前の条件を満たしてないというのもあるけど、なによりフィーリングで違う。


しかしこの公園は良い。
しかしこの公園は良い。

 

ほぼ駅前の公園は開放的

駅から歩いて3分ぐらいのとこにある大きな公園に来た。 ここはとても大きくきれいな公園でありながら人がポツポツいるだけでとても開放感がある。

というかなんで人のいない駅前を探してるのに公園に来てるのか。

それは駅から徒歩5分以内の場所もほぼ駅前ということにしたからだ。 駅前の概念を変えてしまうことになるけど、だってそうしないともたない。


あーこの景色だわ。求めてるの。

こういう駅前(違うけど)を見るとワーッと両手を上げて走りたくなる。 そうだ走り回ってどれだけ開放感を感じるかで駅前開放度を測ろう。

 

走り回ることで開放感を感じようとする人


そういうわけで走り回ります。

ワーッ

やっぱここ違うわ。

残念ながらあまり開放感は感じなかった。 それというのも数メートルおきに人がいて、ジロジロ見られるからである。


約5メートル感覚でこういう状況。

他人の冷たい視線というものは時に孤独よりツライ、だから誰もいない場所を求める。 という理由を走りながら思いついた。

結論として、亀戸水神駅には人が割といます。


逃げるように次の駅へ。

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