お分かりになられただろうか。そう、この笠置町飛び地は、全て谷間に沿って広がっているのだ。逆に、山の部分は総じて飛び地からは外れており、木津川市となっている。
谷間というのは水が流れる場所であり、そのような場所は農業に適している。ゆえに、そこには水田やら茶畑やらが広がることになる。つまりこの飛び地は、この一帯における谷間の耕作地を網羅しているものだったんだよ!な、なんだって――!
おそらくは、この辺りを一番初めに開墾したのは笠置の人だったのだろう。その人は、谷間に田んぼを開き、山の上の方には手をつけなかった。その後、その人に土地の所有権とかうんぬんが発生し、さらにその後、行政区分とかうんぬんが行われる際に、笠置の方へと編入されることになったのだ。
とまぁ、その辺は私の想像だが、当たらずとも遠からずといったところではないだろうか。それにしても、結果的に飛び地に入らなかった山の上の方はどうなっているのだろうか。最後に、それだけを確認しようと思ったのだが…… |