世の中はデフレであるという。デフレスパイラルがとにかく怖いのだという。だから安いものばっかり買うのはよくないといわれても、やっぱり高級品には手がだせないのが現状。ほしいものの写真を眺めて気を済ませる毎日だが、そこからもう一歩踏み込んで、気分だけでも贅沢にいきたい。
(櫻田 智也)
カタログを活用
買いはしなくても、みるだけで楽しい気分が味わえる高級品が載ったカタログや雑誌。そこには夢が詰まっている。
シーズンということで、宝石のカタログなどが送られてくることがある。うっとりするものの、もちろん買えない。でもカタログをただ見るだけでは、うっとりにも限界がある。それ以上に活用することで、もっと贅沢な気分を味わいたい。
錬金術
となればやはり、実際に身につけるほかない。
デフレ時代の錬金術である。 憧れでしかなかった宝石が、次々と手に入っていく感動。よりどりみどり、これがセレブ気分か。 さっそく身につけてみよう、魔法がとける前に。
現実が目に突き刺さってこないようソフトフォーカスでの撮影が功を奏し、指輪がスカスカではあるものの、なかなかのセレブ感が醸しだされている。
撮った写真を確認してみる。贅沢なメモリーが増えていくようで、悪くない気分だ。
イヤリングなどは、はっきりいって身につけて外出できるレベルではないか。そんな気さえする。
食卓を救え
カタログをまとっての外出は後ほど挑戦するとして、そのまえに本日のお昼ご飯について考えなければならない。せっかくの休日だというのに、いまある食材がこれだけなのだ。
カップヌードルはおいしい。おいしいが、やっぱりコレだけというのは侘しいではないか。せめて気分だけでも華やかにと、食卓を盛り上げてくれそうな写真をさがす。
すばらしい。クリスマスに年末年始、華やかと呼ぶには申し分ないラインナップである。さっそくこれらを活用して食卓に色を添えてみたところ、
クリスマスと正月が同時にやってきた
おお! さきほどまでカップ麺ひとつだった食卓が、一気にパーティーの様相。もはや食べられるとか食べられないとか関係なく、テンションがあがる。
もう視覚に飛び込んでくる満足度がハンパじゃない。「これは大成功やで! 壹岐くん!」と、『不毛地帯』の大門社長ばりに鼻息を荒くしていた。