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ちしきの金曜日
 
浮かれ電飾を鑑賞する2009


ことしも順調に浮かれてます

今年もこの季節がやってきた。商業施設でもない一般家庭がなぜかご自宅のファサードを電飾してしまう風物詩。そう、「浮かれ電飾」だ。

結婚もせず、マイホームなど夢のまた夢の37歳。「家庭を持つということは、浮かれるということなのか」と、ぼくが興味を抱き鑑賞を始めたのは2004年だ。当時はマスメディアではそれほど話題になっていなかったが、近年、すっかり市民権を得た感がある。

ここはひとつ初心に返ってみたい。そう、浮かれ電飾約束の地・舞浜だ。

大山 顕



いわゆる「夢と魔法の国」です

流行があるらしいと聞いて

浮かれ電飾を鑑賞し続けて6年目。これまで毎年12月はDPZで浮かれ電飾の記事を書いてきた。
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
シリーズ最初の2004年の記事では、舞浜を訪ねている。思い出の地だ。いや、そんなたいそうなものじゃないか。



横浜やら神戸やら広島やらにすごい浮かれっぷりの物件があるという通報もいただいている。しかし遠方まで脚を伸ばす暇がなかったことと、ここいらで初心に返ってみよう、というのと、あともうひとつ確かめたいことがあったのであえて舞浜を再訪したのだ。

それは「浮かれ電飾には流行があるらしい」ということだ。


電飾の色に、毎年流行があるらしい。ほんとか。

それは2年前の2007年の取材時に現役ウカレンジャー(浮かれ電飾をする人のこと。ぼくが命名)であるUさんに聞いた話。2005年はブルー系、2006年はピンク、2007年は電球色が流行だったそうなのだ。

いまや郊外の大型ホームセンターなどは10月頃からワンフロアが全部浮かれ電飾グッズ売り場に変わる。流行色を設定することで、毎年買い直しをさせるウカレンジャーの懐を狙った、メーカー側の作戦か。

しかし流行色とは。なんだ。パリコレかなにかか。ともあれ、2004年と今年で色やアイテムに変化があるかどうかを確かめたかったのだ。

 

結論から言うと全体的に青っぽいです

などと言いつつ、そんなに厳密に比較してないです。すまん。だって、いつもそうなんだけど、実際の浮かれ電飾住宅街行くとなんだかエキサイトしちゃってさ。「すげー」「あははー」ってなるよ、ほんとに。

でも、2004年の舞浜を見ると、全体的に電球色っぽい(上記の流行年とは食い違ってますが)のに対し、今回の舞浜は青っぽい気がした。


生け垣を青く
2階から青くカスケード

上半分は青、下は電球色。なかなか意欲的な配分だ。どこかの国旗か。

こちらも、電球色+ブルーのコンビネーション。いわばLEDならではの色合いと伝統色を組み合わせた、浮かれ電飾ルネッサンスと言えよう。

ぜひ2004年と比べてみて欲しい。

2004年の舞浜。電球色のエレクトリカルパレード。

おそらくいま青色LEDがすごく安いんじゃないか。おそらく流行より懐具合だ。世界的な景気の低迷が舞浜にも。グローバリゼーションとはこういうことをいうのだと思う。たぶん。

いや、よく考えたら、ほんとに懐具合が厳しいなら電球色のままいけばいいよねえ。よくわからん。

 

舞浜名物は流行とは一線を画すか

さて、舞浜含め辺り一帯で有名な浮かれ電飾の家がある。それをご紹介しよう。


この距離の段階で既に胸騒ぎ。

これはすごい。真剣に浮かれている。

屋根まで浮かれるのはかなりの手練れ。煙突付近にはちゃんとサンタも配置。

緑と赤をモチーフにした浮かれプレイ。そう、あくまでクリスマスカラーを基調とし、流行色などには取り合わない姿勢がすばらしい。真剣に浮かれている。

軒から丁寧にぶら下げる手法や、窓をすべて覆うといった浮かれ技術もすごいし、なにより屋根も覆うのは本気だ。個人的には、あくまで本気で攻めつつ、唐突に屋根に一本まさかの椰子を置くあたりに「浮かれることを忘れちゃいないぜ」というメッセージを感じた。あっぱれである。

以上は、舞浜でも有名な浮かれ電飾物件だが、同じ町内に、もうひとりの雄とでもいうべき存在がある。ぼくが言っているだけですが。


こちらは素人が思い浮かべる「浮かれ電飾」のイメージに忠実なデザイン。いわば初心を忘れない浮かれプレイだ。どこか懐かしい感じすらする。

気合いの入りようではこちらもかなりの浮かれっぷり。カラーリング、アイテム使い、垂らし具合、どこをとっても「ザ・浮かれ電飾」といった佇まいがすばらしい。

浮かれ電飾とはなにか、という形而上学的ともいえる問いに対し、それは典型にあり、とあくまで王道を行く心意気には拍手を送りたい。初心に返る、をテーマにしたぼくの浮かれ電飾鑑賞にふさわしい作品である。

 

でもほんとは「とりあえず」な感じの物が好き

と、まあ、大物を称揚してみたが、本心から言うとこういう隙のない浮かれっぷりにはあまり心動かされない。

「ねー、おとうさーん、うちも浮かれ電飾やろうよー」と娘にせがまれ、しょうがないなあ、と見よう見まねで始めてみて、なんだかんだで3年目。いまだ浮かれっぷりは平熱、といった佇まいの作品にぐっとくる。ようするに、どこかやっつけ仕事的なもの、あるいは情熱が別の滑走路に着地、といったものが好みなのだ。何言ってるか自分でも分かりません。

ていうか娘は「浮かれ電飾」とは言わないだろうし、「平熱の浮かれ」も意味分からん。


とりあえず、生け垣に電飾這わせりゃいいんだろ、 俺は忙しいんだ。というお父さんの声が聞こえてくる作品。かなり好みだ。

色もバリエーション揃えてみた。植栽に這わせるのも頑張った。そうしたら、こうなった。すばらしい。

電飾の長さ、ボリュームと植栽の大きさ・面積との見積もりに祖語が生じたか。

ぼくがウカレンジャーになったら、ぜったいこういうのやっちゃうと思う。シンパシー。

思うに「すごい作品」を追っているようでは浮かれ電飾鑑賞家としてはまだまだひよっこだと思う。ディスプレイの専門家でもなんでもない素人個人が、許されたコストの範囲内でいっしょうけんめいやった姿。そういうものがにじみ出るものこそが、真の浮かれ電飾なのだ。なに熱くなってるんだぼくは。

さあ、そういう真浮かれ電飾を見ていこう。


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