男の料理というものがある。 休日などに男が作り、妙に香辛料にこだわりを持ったりするやつだ。最近でもないが、男の料理のレシピ集なども出ている。どれも美味しそうだと本屋で立ち読みをする度に思う。
僕もそんな「男の料理」に挑戦したいが、残念ながら料理が下手である。でも「男の料理」に挑戦したい。妙なこだわりを持ってスペアリブとかを煮込みたい。しかし、失敗するのが目に見えている。
そこで、雰囲気だけの「男の料理」にチャレンジすることにした。
(地主 恵亮)
男らしい雰囲気を考える
今回の「男の料理」は、「男らしい雰囲気で簡単な料理を作る」ということなので、まず男らしい雰囲気とは何かを考える。 まず、僕が「男」で浮かぶのは冬の海である。冬の海にあまりファンシーな雰囲気はない。男とは、凍てつく海風が吹く冬の海に立ち向かうものなのだ。
次に「男」で、浮かぶのは「祭り」である。男は半被を着て神輿を担ぐものなのだ。そして、向かい来る神輿にぶつかっていく。僕は本来、浴衣を着た女の子とその半被を着た男たちの戦いを見るタイプなのだけれど、いつも半被を着た男を見ると「男らしいな〜」と憧れてしまう。
ということで、男らしい雰囲気は決まった。 キッチンは「冬の海」。エプロンは「半被」。もう男らしい雰囲気しか感じないと思う。この状況で作ればなんでも「男の料理」になるはずだ。
次に何を作るか考える
男らしい雰囲気は決まったので、何を作るか考えながら、新宿のサザンテラスを歩いていたらイルミネーションが綺麗だった。クリスマスが近づいていることを実感した。
思った以上に街中がクリスマスだったので、今回は「男の料理」でクリスマスケーキを作ることにした。僕は甘いものが大好きだし、あまり手間がかからないので、料理が下手な僕でも作ることができるはずだ。
暖かい部屋で作る、甘く、かわいいクリスマスケーキは全然「男の料理」な気配を感じない。しかし、先に書いた冬の海に半被という状況で作ればクリスマスケーキも十分に「男の料理」になるはずだ。
これで、男らしい雰囲気も、作る料理も決まったので、雰囲気だけの「男の料理」を作るべく、キッチンとなる冬の海に早速向かうことにした。