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ロマンの木曜日
 
もしもピアノが弾けたなら

今はまだピアノが分からない


どこが「ド」なのか分かりますか?

おもちゃといえどもピアノがうちに来たことに少し戸惑う。
とりあえず触ってみようと思いはするが、どう触って良いのか分からない。キーボードの「a」ならすぐに分かるが、ピアノはどこが「ド」なのかも分からない。


どれが「ド」なのか分かりますか?

さらには楽譜も分からない。
「ド」がドと書いていない。一つ一つ確認したらば分かるけれどもコレ見て演奏なんてとてもじゃないが出来そうにない。


なのでわかりやすく書きました。

さぁこれで、なんとなくなら弾けるかもしれない。実際に弾いてみた。



おぉ、予想よりは弾けている。なんの曲か分かるだけでも 十分嬉しい。あれ、すでに俺は弾けるのか。小さな明かりを 一つ点け、君に聞かせられるのか。

 

でもキーボードにしたらもっとうまく出来ると思うんですよ

自分としては予想外の弾けっぷりに、もういいかな。という気持ちもあるのだが、それでも企画を続けたい。(関係ないが、弾けっぷり[ひけっぷり]が弾けっぷり[はじけっぷり]に見えて凄く元気な人みたい。


タイピングならガンガン打てる

なぜなら、キーボードでのタイピングならもっと正確に、早く打てると思うのだ。タイピングゲームで速度を測ってみたらば毎秒4タイプ位。一秒間に4回キーを叩く計算だ。

その速度でピアノを弾けたなら、やるしかないでしょう。

 

だから作ります、キーボードピアノ


これを見た時、簡単に作れると思った。

どうやって作ろうかと二つを並べたところ、タイピングする部分と鍵盤部分の長さがほぼ同じ。これはもう出来たも同然だろう。


とりあえず外せばいいだろう
マトリックスっぽい

要はキートップを外して鍵盤につけるだけ。とはいえどうやって外すんだろう。とりあえず中を見たら分かるだろう。と開けてみる。すると現れるマトリックス。

あぁ、何気なく使っていてもやっぱり機械。ハイテクなんだ。思いがけず21世紀を手元で知る。


ポコポコポコポコ
ガシガシガシガシ

更に開くとポッコポコ。うひゃあ、キーボードってこうなってたのか、身近な物の内部構造を見るのは凄く楽しい。

そして後ろから押すとキーはすぐに取れた。後は手で引っ張ればガシガシ取れる。開ける必要無かったんじゃないかと思ったけれど、そこはやっぱり押さえきれない情熱や。

 

はい、完成


お箸の持ち方直しておいてよかった。

後はキーを鍵盤に貼り付けるだけ。実際に貼る前に一度置いて確かめる。その際はピンセットかお箸が効果的。ナイフとフォークじゃこうはいかない。


一つのキーで一つの鍵盤を押せるようにする。
はみ出た部分は切っちゃえばいい。

ちゃんと置けることを確認したら、一つのキーで一つの鍵盤を押すように調整する。一つのキーで二つ押せる便利キーがあっても良いが、今回は基本を守る。

後はアロンアルファで貼り付ければ完成だ!


はい、完成。

出来た。思い描いていたとおりの物が出来た。パッと見タイプライターのようだけどピアノ。上手く叩けば綺麗なメロディを奏でるし、ワルツもルンバもお手の物。

 

さて実用性は

見た目は満足する物が出来たが、重要なのは使い勝手だ。


ピアニストです。

ほう、落ち着く。鍵盤に手をやっていたときのようなどこをどうしたらいいのか。といった迷いはなく、思い通りに指を動かせそうだ。

 

低音域 ファ
低音域 x c v t b n m i
高音域 i o, p. / @ \[ Shift Enter

 

だけどどのキーがどの音に対応しているか表にしてみて嫌な予感が頭をよぎる。

ちょっとコレはまずい。僕の理想ではいつものようにタイピングするだけでメロディーが奏でられるはずだった。「こんにちは」と打てば小鳥がさえずりおはようと打てば蝶が舞う。


見づらいがちょうちょうを弾くときにどのキーを押せば良いのか書き出してみた。

それがどうだ、ちょうちょうを弾こうとしたら「bvv tcc」だ。さらに高音ならば「@.. /,,」なんだこれらの文字群は。打ったことないし打つこともない。

失敗か、とも思ったが、鍵盤で「ド」を押して下さいと言われるよりも、@を押して下さいの方が迷わない。訳の分からない文字達であってもキーボードの方が打ちやすいはずだ。望みをつないでちょうちょうを弾いてみた。



駄目だった。

キーボードに段差があり、違和感があっただとか、予想より自分にタイピング能力がなかっただとか言い訳だったらいくらでも考えられる。虚実織り交ぜてな。だけど本当に思ったことはピアノは鍵盤が弾きやすい。と言うことだ。

何か思いついてやってみようとしたら結局元の物が一番良いよねってなるのはよくあることだ。昔の人凄い。

更に、もしかしてすでにこういうのあるんじゃないかと調べて見たら、 ピアノに張りつけなくてもソフト一つで今すぐキーボードがピアノになった(そのソフトです→パソピノ。 でもやっぱりキーボードでは難しいと思う)。

あぁ、僕はいつでも空回り聞かせる夢さえ遠ざかるアア アー アア ………遠ざかる


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