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とくべつ企画
 
勝手に食べ放題 ケンタッキー編

いきなり視線の合わない二人

今回のこの企画、食の細そうなライターばかりが集められた結果、気づけば僕が最年少である。来年三十路のギリギリ20代、あふれたりみなぎったりするほどはないが、まあちょっとは若い。そんな微若さを生かして、脂の多い肉料理に挑戦したい。

ケンタッキーだ。

(text by 石川 大樹



いただきます!!

背伸びからはじめよ

この日は気合いを入れて朝食を抜いてきた。しかし直前に乙幡さんの食べ放題の撮影があり、そこでミルクティーを飲んだところ、それだけでちょっと満腹気味である。食べ放題にあるまじき愚行。そしてあるまじき食の細さ。

そんな状態で最初に注文したのは、特盛りチキンセット。チキン3個+コールスローSのセットである。ドリンクには油モノとの相性がよさそうなウーロン茶を追加。

いつもならチキン2つのセットで一食を済ませるところである。最初の注文でまずは小手調べ、という段階ではあるが、すでにいつもの自分を越えている。


ジューシーな脂がたまりませんね!
きれいにたべるねー、とは同行してくれた編集部・安藤さんの談

ペロリ、という感じで完食。

店選びの理由を年齢のせいみたいに書いたが、実はもともとケンタッキーがかなり好きだ。ふだん食べるときは「まだあと1個ある」「もうすぐ終わりかー」と、残りの量を意識しながら、名残惜しい感じで食べている。

でも今回はちがう。残機数には「∞」のマーク、無敵モードだ。安心して食べられる。「食の安心」という言葉を間違った意味で使いたくなる。

そんなことを考えるうちに肉3つを完食。3個目でやっと、肉は満足、という感じになった。しかしここでやめてはセット1個分。ただの外食である。つづく肉の応酬に備え、ウーロン茶とコールスローは半分ずつ温存。

 

これからが本番だよ

 

「あ、食べ過ぎて脂の味しなくなった」と思ったら、肉質が違うだけだった

胃の存在感を意識する中盤

セット完食の時点で「まだまだ行けるな」、と思っていたのだが、一度カウンターに戻って次の注文を決めていると、その間にどんどんおなかがいっぱいになっていく。食べてもないのに、胃の中に、さっき食べたものがテトリスのブロックみたいに食べ物がズン、ズンと積み上がっていくイメージ。(一行そろっても消えないのがテトリスとの違い)

さすがに肉ばっかり食べるのも辛いな、と思い、次はサンドをチョイス。つけあわせにコーンサラダと、安藤さんおすすめのレッドホットウィング(辛くて小さいチキン)をつけた。

 


レッドウィングのこのちいささよ
安藤さんの撮ってくれた写真全部にこの左上の男が写りこんでくる

笑顔で胃薬見せびらかす人

このへんで、本当の食べ放題とこの企画の決定的な違いがわかってきた。

取り放題のバイキングはたくさん取って食べるので量がよくわからなくなるんだけど、ケンタッキーは注文した数がわかりやすい。「あー、もうセット2つも食べたのか…」という具合である。

その分、満腹感に訴えかける。腹はまだ空きがあっても、理性で満腹になってしまうのだ。今回はたくさん食べるべく、食べた量をあまり意識しないようにした。

そういえば、持参していた「食べる前に飲む」胃薬を飲み忘れていたことに気づく。しかし「食べたあとに飲む」胃薬もあるので安心だ自分の胃に対してどこまで信用ないんだ。(しかも結局食後も飲み忘れた)

 

悪魔のささやき

あー、もうだいぶ限界が見えてきた。でももうちょっと食べられるかな。定番ものは一応一通り抑えておきたいので、ビスケットにしよう。そのときだ。


肉にしてくださいよ!肉!キキーッ!

同行の安藤さんが小悪魔みたいな甲高い声で要求してくる。(嘘だ。普通の声だったし「キキーッ!」とも言ってない)

「ああ、やってやろうじゃないか!」というほどの意地も別にないのだが、自分の限界に挑戦したくて追加したのがこれである。


ババーン!(と勢いを出してみましたが1個で限界)

加えてビスケットとアイスティーを頼んだら、「セットの方が安いのでそちらにせよ」といわれたのでそうした。

新しいチキンは先ほどまでのチキンよりずいぶん味が薄い気がした。サンドの時も同じようなことを書いたが、あっちは肉質が違った。でも今度は正真正銘同じチキン。おかしいな、と思ったら、無意識のうちに口の中で舌が肉を避けていた。答えは自分自身の中に。


笑顔の消えた目でなんとか肉を平らげるも
ここで気づく伏兵。しまった!

チキンを食べ終えると、「非・肉」戦力として温存しておいたコールスローとコーンサラダが大量に残っていることに気づく。温存がアダになった。大切にとっておいたのに、こんな形で牙をむかれるとは。裏切り者め!と思うが、自分のペース配分がまずかっただけである。紅茶で流し込みます。

そしてメープルシロップたっぷりのビスケットに入って、これだ!と思った。甘いものがおいしい。新しい刺激である。まだまだ楽しめるぞ、食べ放題。


これはいける

 

普通にうまそう

中で繋がっていたとは

はい来ました、別腹。いままでの苦労はリセット、これから新たな気持ちでモリモリ食べられます。


…と思ったのは口に入れて飲み込むまで。喉元を過ぎるとまた胃テトリスが始まります。最終的なゴール地点は結局おなじ胃だった。


酸欠の金魚みたいな顔になってきた

しかしアイスなど所詮は溶ければ液体。少しソフトになったところをパクパク平らげ、満腹度120%、計2,490円で食べ放題は幕を閉じました。


笑顔で完食できました!
食べたあとに直立すると胃が圧迫されて危険ですよ、と独自の満腹理論を安藤さんに力説。

この企画終了後、「俺もやればできるんだなー」みたいな妙な自信が湧き、全体に食べ物に対する見積りが大きくなってしまったまま現在に至っております…。

 

品名 価格
特盛りチキンセット(チキン×3+コールスローS) 830円
ウーロン茶(M)(セット価格) 160円
チキンフィレサンド 380円
レッドホットウイング 130円
コーンサラダ(M) 220円
マイごちライトセット(チキン+ビスケット) 390円
アイスティー(M)(セット価格) 160円
フローズンパフェ 220円

合計

2,490円

<ビッグボーイ △いちらん サイゼリヤ >
 

 
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