まずは中華風から

正月にお屠蘇を飲む習慣は中国で生まれたらしいので、まずは中華風を作ってみます。

中華風のお屠蘇では八角、ナツメグ、クコの実、胡麻、実山椒、黒胡椒を使ってみました。なんとなく中華によく使われていそうな物を使っていますが選択は適当。

一晩置いた中華風お屠蘇は思ったほど薬臭さはありません。薬膳スープとでもいいましょうか。中華風の体によさそうな香りがします。香辛料の香りですね。

では、飲んでみましょう。

香り同様に思ったほど薬感はありません。八角とナツメグの甘さと香りが際立ちます。あまり美味しい物ではないですが、体にいいから毎日飲みなさいと言われれば飲んでもいいかなと思えるレベル。これを飲んで浮かれることはないでしょう。お屠蘇気分は良かったり悪かったり微妙です。

続いてワインで洋風お屠蘇

中華に続いてワインで洋風です。

洋風にはシナモン、クローブ、スイートバジル、カルダモン、キャラウェイシード、バニラビーンズ、ピンクペッパーを使用しました。肉料理やお菓子作りに使うようなスパイス群。

各種スパイスを一晩浸けたワインは色こそほとんど変化が無かったものの、香りはかなり変わっていました。元のワインは甘く果実的な香りだったのに対し、枯れた感じのスパイシーな香りになっています。

やや不安に思いながら飲んでみるとこれが意外！物凄く美味い！

安ワインが上品な渋みのある美味いワインのような味になっています。そういえば、ホットワインは温めたワインに各種スパイスが入っていた。それと同じですね。美味しくて当然なのかも。こんなお屠蘇なら毎日飲んで浮かれたい。

最後はエスニック風で

最後のお屠蘇はエスニック風。タイ料理に使われる香草類を使って作ります。まずは酒。

タイの酒でメコンです。アルコール分35度のスピリッツ。そのまま飲むとのどの奥がカーッと熱くなる。飲みすぎるとムエタイキックを食らったようになるらしい。未確認。

続いて入れる香草類。もちろんパクチーは欠かせません。更にタクライ。レモングラスですね。そして、バイマクルー。こぶみかんの葉です。他に、ホムデン(あかわけぎ)、カー(なんきょう)、バイカパオ(ホーリーバジル)を使用。あと、エビとかあればトムヤムクンが出来るな。

これらを刻んでグラスに注いだメコンに浸けます。

各種香草を刻んでいる段階で、浮かれ気分というよりタイ気分でした。なんとも凄い香りです。

一晩浸けたものは色の変化は全くなし。もともと茶色い酒なので、これ以上変わると言っても黒とか赤でしょう。そんな色になっていたら飲むのを止めます。

そして、香り。これがもうガッツリとパクチーの香り。なんとなく予想はついたのですが飲んでみました。

物凄いパクチーの香りがしてのど奥にカーッとくる。口の中で「パクチー！」と叫んで、更に咽を下りながら「パクチー！パクチー！」と騒ぎ立てています。パクチーは結構好きなのですが、これは酷い。

よほどのパクチー好きならともかく、普通の人は飲むのに苦労します。パクチー嫌いの人ならきっと倒れる。やってはいけない物でした。どんな浮かれ気分も一瞬にして破壊する爆発力があります。気をつけましょう。