新聞紙の向こう側から、強い光が差し込んでいるのに気づく。電車の窓から海が見えてきた。
なんか一見旅情っぽいが、さっきからずっと電車の中で新聞を読んでいるだけなので、旅情はない。いや、そもそも旅情じゃなくて「通勤っぽさ」を求めていたんだった。でももう都心はだいぶ前に過ぎた。横浜も過ぎた。大船も過ぎた。乗り換えた。あまりにも新聞が読み進まないので、企画の軸がブレる。
紙面は株式や先物市場について事細かに伝えている。そうえいば、株の値動きは寄せては返す、この大海原の波のようであるまいか。奇跡のような一致である。そう思うことにした。 |