色々とハイテクノロジーな閻魔＆寺

さて、次なるお寺は深川の「法乗院 ゑんま堂」。ここには日本で唯一の珍しい閻魔像があるらしいですよ。

おーっと、極彩色のすんげえカラーリング！　しかも妙に味のある劇画風の顔をしております。

目なんかビッキビキに血管浮かんじゃってますし……。

しかしここの閻魔様の見所はルックスではなく、賽銭箱の方にあります。

とにかく沢山穴が空いていて、そこに「夫婦円満」「家内安全」「縁むすび」といったスタンダードなものから「ガン封じ」「浮気封じ」「ぼけ封じ」「いじめ除け」などといったピンポイントなものまで、様々な願い事が書かれています。

そして、お願いしたい言葉の書かれた穴に小銭をチャリーンと入れると、なんと閻魔様がそれぞれに対応したメッセージをしゃべってくれるのです。

……なんちゅうか、こんなに怖い顔してるのにやたらと丁寧な言葉遣いなのが笑いを誘いますよね。

メッセージをちゃんと聞けば、わりと的確なアドバイスをしてくれているんですが、「電子音声でしゃべらせる」というハイテクを駆使した方式を採用してしまったがために逆にありがたみが全くなくなってしまっているような気が……。

ボクの後から来たカップルも、爆笑しながら次々と穴に小銭を投げ込んでいました。

さらにこのお寺では閻魔様だけでなく、お墓もハイテクを駆使したものとなっています。

なんと、お骨をパウダー化し真空パックにすることによって、コンパクトかつリーズナブルに永代供養できるというサービスを行っているんだとか。

土地の高い都内では、そういうサービスも必要なんでしょうね。……必要なんだと思います。……思いますけど……。

閻魔詣りの作法を考える

いやあ、さすがに金ピカ極彩色ハイテクハデハデな先ほどのお寺とは打って変わって実に落ち着いた雰囲気ですね。

……というか人が全然いません。どうしたんでしょうか？

『笑っていいとも』と一緒に目覚めるような生活をしているボク的には午後4時半なんて真っ昼間ですけど、冷静に考えてみればお寺的には午後4時半ってもう完全に夜ですよね……。

「普通だったらもう閉めちゃってるんだけど……せっかく来たんだしどうぞ」

ということでなんとか閻魔様を見せてもらえることになりました。いやあ、お手数かけてスミマセン。

フハハハハハハハ！

……とでも言い出しそうな、なんとも不適な笑みを浮かべた閻魔様。ムッチムチのテッカテカで、非常に精力的な感じですね。

ところで、ここまで様々な閻魔様を見てきましたが、一応それぞれ手とか合わせて「今年一年元気いっぱい暮らせますように……」みたいなお祈りをしていたんですが、コレって閻魔様の詣り方として正しいんですかね？　イメージ的に閻魔様への願い事というと。

こういうものの方がふさわしいような気がしてしまいますが……。でもコレは願い事というよりは呪いですよね。

かといって閻魔様に

こんな世の中をなめきった願い事なんかしたら地獄に堕とされそうですし……。

そもそも「閻魔様に願い事をする」ってこと自体が間違ってるのかもしれないですけどね。

闇の中から閻魔様登場！

次にやって来たのは新宿御苑前にある「霞関山本覚院 太宗寺」。こちらには「江戸三大閻魔」であり、総高550センチという都内最大の閻魔像があるのです。

いうなれば東京の閻魔の親分ってところでしょうか、楽しみですねぇ。

しかし、到着したのが随分遅い時間になってしまったので、すっかり日も暮れ、閻魔堂も真っ暗。

こりゃ閻魔様を見るのはムリかな……と諦めかけていたところ。

なにやら意味ありげなボタンを発見。押してみると……。

おおっ！　閻魔堂の中がライトアップ！

暗闇から閻魔様が浮かび上がってきた！

うおーっ！　さすが東京閻魔界の親分！　とにかくデカいし、貫禄たっぷりのスゴイ顔をしております。

しかし、この閻魔様よりさらにスゴイ像が隣にあったのです。

ギャーッ、なにこの人!?

この像は「奪衣婆像」といって、三途川にやって来る亡者の衣服をはぎ取る婆さんらしいんですが……。夢に見そうなほどトラウマ級の恐ろしい顔をしています。

またこの像も閻魔様と同じくらいデカいんだ……。こんなのに服を脱がされそうになったら泣いちゃいますよ。ひーっ。

とっても美味しい閻魔

そんな感じで色んな閻魔様を見てきましたが、本日最後の閻魔様は高田馬場にあります。

ほいっ。

……ま、ただ単に「閻魔」っていう名のお店なんですけどね。

フハハハハハ！　地獄の業火でホルモンを焼き尽くしてやるわっ。

それでは今回はこのへんで！