デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


フェティッシュの火曜日
 
築地で揚げたての練り物食べ歩き


全体的に茶色い写真がたくさんでてくる記事です。

この前築地場外市場にいった際に、練り物だけを扱った店を見つけた。かまぼことか薩摩揚げとかの、あの練り物だ。そこでは今まで見たことのないような個性的な練り物が何種類も売られており、興味本位でいくつか買ってみたら、どれもうまかったのだ。

調べてみると、この市場には練り物の専門店が何件もあるので、一気に巡ってみることにした。練り物屋の食べ歩き、略して、練り歩きだ。

練り物屋、おでんマニア以外はあまりテンションがあがらなそうな店と思うかもしれないが、築地の練り物屋さんは楽しいのである。

玉置 豊



築地場外市場を練り歩こう

築地市場(東京都中央卸売市場)といえば、日本が誇るプロ御用達の巨大魚市場だが、その隣にある築地場外市場は、もちろん魚屋もあるが、肉屋、八百屋、寿司屋、卵焼き屋、乾物屋、金物屋などが幅広くそろっており、一般人も楽しめる市場となっている。

場内(築地市場)と違って、通路でボーっとしていて怒鳴られたり、ターレーに轢かれたりする可能性も少ないので、観光におすすめの場所だ。


上野のアメ横なんかと雰囲気は近いですが、服屋がぜんぜんないです。
結構広いので、築地食のまちづくり協議会のマップをプリントしておくと便利。

みかんってこんなにたくさん種類があるんだと、素直に感心した八百屋。
ライター萩原さんが好きなグッナントカカントカ駐車場ってこういうやつであっていますか?

マグロの頭、刺身包丁、極太のマテ貝、干しシイタケの割れたやつ詰め合わせ、竹製の蒸し器、キンメダイの干物、レトルトの参鶏湯、ヒョウのはく製。

5メートル進むごとに欲しいものが目に入ってしまい、なかなか前に進めないが、今日は四件の練り物屋さんをまわってみたいと思う。

 

最初は紀文総本店

まずやってきたのは、たぶん日本一有名な練り物屋さんの紀文。紀文発祥の地に今もある紀文總本店では、スーパーでは買えないような、作りたての練り物が買えるのだ。


ここがあの大企業の本社なのかと思ったら、本社は別にあるみたいです。
「袋、二重にしたほうがいいわよ!」 紀文總本店は、お客様との大切な接点の場として、多くのお客様にご利用いただいております。HPより。

紀文オールスターズのおでんチーム。
おすすめのおでんダネは、半熟がうれしい卵揚げだそうです。

ここの店では、工場から届いたものを並べているだけではなく、店内で揚げたての練り物も店に並べているのがうれしい。

ここで考えてほしい。多くの練り物は、練り物であると同時に揚げ物である。

肉屋で買う揚げたてコロッケがうまいのと同じように、練り物屋の揚げたて薩摩揚げが、うまくない訳がない。


本当に店内で揚げています。あそこで揚げる役割は、たぶん紀文の出世コース。
パン屋で焼きたてのパンがくると買いたくなるが、それは練り物屋だって同じだ。しかし「かき揚げちくわ」って聞いたことないぞ。

単品で買うのも楽しいけれど、詰め合わせが断然お得。中身は全部店内で揚げた練り物。
よく見ると、パックごとに中身が微妙に違うのもいい。

本日の試食はイカのゲソをすり身でコーティングした逸品。チューハイ飲みたい。
紀文さん、ここに立ち飲み屋を併設してください。

練りたて(かどうかは知らないけれど)揚げたての練り物のうまさは、世の中でもっと評価されていいと思う。家に帰ってから食べても、まだほんのりと温かく、十分にうまい。

 

食べ歩ける練り物もある

せっかく揚げたての練り物だが、薩摩揚げとかを買ってすぐにむしゃむしゃ食べる剛の者は少ないので、食べ歩き用の練り物というのも売っている。


食べ歩きには越前揚。からしマヨネーズが入ったカニカマにすり身をつけて揚げてある。たぶん越前に住んでいる人も知らないと思う。
その見た目からウインナー的なしっかりとした歯ごたえを想像するのだが、正体がカニカマなのでハフッとなる。

カニカマはもちろん食べたことはあるのだが、まさか割りばしに刺さって揚げた状態で出会うとは思わなかった。友人が共通の友人の妹とデートしているのを目撃した気分のような味だった。そうきたか、みたいな。

どうせならアメ横のフルーツ屋(イチゴとかメロンを割りばしに刺して売っている)みたいに、いろいろな練り物を割りばしに刺して売ってほしい。


紀文總本店
東京都中央区築地4-13-18

つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.