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ちしきの金曜日
 
シモバシラの霜柱を見てみたい

暗闇と僕とシモバシラ

5時ごろにネットカフェを出て人がまばらな電車に乗って高尾山に向かった。僕が乗っている車両には僕しか乗っていない。高尾山の最寄り駅である高尾山口駅には誰も人がいなくて少し早く来すぎた感は否めなかった。張り切りすぎた!


活気のない高尾山口駅

ホームから見えるホテルだけがいろいろな意味で活気があると思う

駅から高尾山の稲荷山コースの入り口を目指して歩く。日はまだ昇っておらずひどく寒い。これはシモバシラに霜柱が立っていることが期待できる。それにしても真っ暗である。


で、高尾山に到着です


山登り開始!

高尾山にはいくつかの登山コースがあるのだけれど、先に調べたところ「稲荷山コース」でシモバシラを見ることができることが分かった。当たり前だけれど、明かりはなく懐中電灯を片手に寒く暗い道をひとり歩いた。なんだか怖い。


怖い怖い!(マウスオーバーで明るくなります)

暗い山道を歩きつつ脇に生えている植物に懐中電灯の光をあててシモバシラを探す。赤塚植物園で本物のシモバシラを実際に見ているので、シモバシラを見つけること自体は容易だと思っていたが、暗いためなかなか見つけることができない。ここは思い切って帰ろうという後ろ向きに前向きなことを考え始めた直後にシモバシラを見つけた。


夜明け前のシモバシラ

しかし、霜柱はなし

残念ながらシモバシラに霜柱はできていなかった。やはりシモバシラに霜柱が立つにはいろいろな条件が整わなければいけないので、そう簡単には見ることができないのだろう。しかしもっと山頂に近づけば、と前向きなことを考えながら頂上を目指した。


日が昇った 霜柱はあった

万が一、シモバシラの霜柱を見ることができなかったら、高尾山の頂上から見た日の出は綺麗だったという情緒に走った感じで記事をまとめよう考えたいた。表彰台はムリなので端から入着狙いのような弱気なことを考えていたのである。しかし、頂上に着くずっと前に日の出を迎えてしまった。


東京が見える

木々の間から日の出を見た。東京が朝靄の中に浮かびとても綺麗だった。そのためか、引き続きシモバシラ探しをするヤル気がふつふつとわいてきた。

高尾山は私服で登れる山だそうだが、それはきっとケーブルカーを使った時の話で、小さくなったとはいえ登山には重いネットブックを入れた鞄は邪魔以外の何物でもなかった。


リュックにすればよかった

しばらく歩くとジャリっという感触を靴の下に感じた。「おぉ!」と生まれた初めて食べたマックドナルドに感動した時のような声をあげてしまった。よくよく地面を見てみると、そこには霜柱があった。


お〜でかい霜柱

腰に手をあてウキウキで霜柱を踏む。楽しい〜!


うそをついてしまおう

霜柱単体は見つかったが、今回の目的であるシモバシラに霜柱はなかなか見つからない。どうしたものかと思い周りを見渡した。そして、「お〜シモバシラに霜柱だ」と応援しているサッカーチームがゴールを入れたかのような声を出してみた。


シモバシラに霜柱!

シモバシラのまわりに脱脂綿を置いたかのようなりっぱな霜柱ができている。なんて綺麗なのだろう。まるで写真のようだ、と無理やり喜んではみたものの、安いから買ったけれどよく考えると絶対に使わないな的な気持ちになってしまった。


看板を撮ったんですよ。すみません

高尾山はこの時期、シモバシラにできた霜柱を見にくる人が多いらしく、シモバシラの霜柱が見れる場所にはこのような看板が立っていた。看板にはシモバシラに霜柱ができる理由などが解説してあり、非常に知的好奇心を刺激してくれる。


本当に見つけました

日が昇り8時近くなると一般の登山者も増えてきて、「シモバシラ見れないでかね?」と聞く事ができるようになった。登山者の多くはとてもいい人ばかりで耳寄りな情報を教えてくれた。「1月上旬までしか見れないね〜」とか「もうムリじゃないかね〜」という求めていない耳寄りな情報だ。


でも、落ち込まずに富士山と記念撮影

残念な情報だけでなく、その中には「小さいのは見れるだろう」と言った、2位のチームが負ければ決勝進出できるかのような期待を持たせてくれるものもあった。そのため、必死に探した結果、小さいけれど本当にシモバシラの霜柱を見つけることができた。


これです、これ

これですよ、奥さん

とても小さく1センチにも満たないけれど、茎のまわりに霜の柱ができていた。茎が途中で折れているけれどそこは目をつむろう。普通に歩いていたら見落としてしまいそうな程小さいけれど、とても綺麗だ。氷の花のようである。


とにかく小さい

 

知らないおじさんの登場

図鑑などで写真は何度も見ていたけれど、現物のシモバシラの霜柱はとても綺麗だ。僕としてはとても満足の行くもので、何枚も何枚も写真を撮った。興奮で霜柱が溶けてしまうのではないかと思ったほどだ。


せっかくなのでもう一枚

さて、帰ろう、この興奮を記事にまとめよう、と思っていたら知らないおじさんが「そんな小さいのはシモバシラの霜柱ではない」と僕に声をかけてきた。「もっと奥に行けば大きいのがあるかもしれないからついて来い」と知らないおじさんは続けた。だから、僕はこの知らないおじさんについて行くことになった。


知らないおじさんの登場

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