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ロマンの木曜日
 
高円寺と下北沢はどっちがロックか

でも意外と「ロック」って文字は見あたらない…。

下北沢と高円寺。共に東京ガイド本なんかを見ると「ロックな街」と書かれてる事が多い街だ。実際、自分が上京してからライブに行ったことも少なくな い。さらに以前には下北沢まで自転車で15分の街に住み、今では仕事場が高円寺と、遠くない程度に関わりもしている。その上でどっちがロックかというと… どっちだろ?

もし今地方在住で「ロックな俺はロックで身をなしてロックで喰っていく!はて、そんなロックな俺が上京してロック的に住むに足る東京のロックな街は どこだろう?」という人がいるかもしれない。そんな人のために下北沢と高円寺どっちがロックかを判定してきました。ちなみに店舗数はこちら調べですので、 正確とは限らないのであしからず。

(text by 大坪ケムタ



高円寺は強い肝臓が必要だぜ

さて、比較するにしても何を基準にロックな街とするか?が問題だ。ただライブハウスやレコード屋の数だけで判定するというのも安直だ。ロックな人は 自宅とライブハウスとレコード屋だけをウロウロしてるわけではない。三角食いじゃあるまいし。やはりファッションは大事だよなあ。あとやはり酒とメシは欠 かせない。あとは何だ、TATOOとか?刺青はやっぱ日本だとロック文化の範疇だろう。

ということで、実際にそれぞれ街中を歩いてみてそうした要素を抜き出してみることにした。共に駅から半径200mにあるもの、を基準に。


こちら高円寺半径200mの円。

こっちが下北沢の半径200m。

この円内にある「ロック的なお店」を数えて、それで点数制でまとめていけばどっちが上か判定出来るのでは…いや、そういうことにする!ということで、こんな基準を設けてみました。


 ロック関連=10点 酒場関連=5点

 定食屋関連=3点 ファッション関連=5点

 TATOO関連=15点


ロック関連、てえらくザックリした言葉ですが、要はライブハウスやレコード屋、スタジオなど音楽関連ということ。さらにやはり肝臓が強いのもロック!とい うことで酒場関連=酒が飲める場所全般、メシをガッツリ食えるのもまたロック!で定食屋関連=ランチあります的な店。そしてTATOO関連の方が点数が高 いのは、店自体がそんなにないのと、やはり身体に刻む分ヘビーということで。


ファッションといっても祭りメインとか
かっぽう・スモックはちと違う。

あと酒飲むにしろこういうのも違う。

そうそう、ファッションといっても何でも採点するわけでもなく。基準としては「上着」のことを「アウター」って言ってそうな店を基準にしてみました。ざっ くりしてんなあ。酒場もこういうスナック系はナシで。基本居酒屋だけど、ちょっといいダイニングナントカみたいなのも入れる程度で。でもちゃんこダイニン グ若は無し。一応チョイスしつつ選んでみますよ。


地図を作って調べにゴー!

ということで先行として訪れたのは高円寺。何度もウザいくらい書いてるとおり「ロックの街」なんて言われ方してるけど、実際降りたってみると駅はホテルと一体型で小綺麗です。むしろブルジョワジーな感じ。


むしろアーバンな感じの高円寺駅。
雪だるまが転がってました。

さらにロックな街といっても、駅を出るとすぐに大きな商店街がある庶民的なムード。悪いクスリ吸ってる不良とかいる感じじゃありません。ロック=悪はもう昔の話!


アーチもクリーンな純情商店街に
アーケードもあるパル商店街。

とは言いながらも、この中にロック的な店があちらこちらとけ込んでるのが高円寺という街。普通の下町っぽい中にいきなりワイルドな英単語をつけたお店の看 板が目に入ってきます。お店以上にロックなお兄さんお姉さんを見かけますが。しかし「ROCK」って思いっきりそのまんま書いた看板って意外とないんです ね…。


ロックバーやら
スタジオやら。

今回「駅から半径200m圏内」という制限を課してるわけですが、その中にはライブハウスやクラブも少なくない。でもその中には閉店してしまったお店も…といっても不況で、とか事件が起きて、なんかじゃない。ある意味事件ですが、巻き込まれた側。

昨年11月に高円寺の居酒屋で16人が死傷する火事が起きました。その同じビルに入ってたライブハウス2軒がその被害で閉店。火事は2階、店は地下なんですが消火のための水が全部下に流れ込んだりしたそうで。1階から見る分にはそのままなのがサミシイねえ。


事故が起きてしばらく献花台が置かれてました
奥には入れるけど、どうも行く気起きないですね…

こうしたいくつかのライブハウス以外にも、今回の得点範囲内である「ロック的なお店」はいっぱい。ズラズラとお店が並ぶ感じではなく、街中にぽつりぽつりとある地元密着な感じが高円寺ですな。


高得点なTATOOショップも。
古着も基本です!

しかし高円寺をぶらぶら歩いて思うのは居酒屋の多さ!特に高架下にはずらーっと。撮影が朝だったのでどこも看板出してませんが、夕方からは賑わうわけですよ。ロックの人もサラリーマンの人も。今回の得点の基準でいえば、酒場点で稼ぎそうだ。


高架下は和洋折衷の居酒屋が。
線路の真下も鍋やら焼やら。

こういういい味の定食屋看板もあり。

ちなみに看板に書かれてあるフレーズは「一歩先を行くあなたに一歩先を行くお食事を/女性の方お気軽にどうぞ」。そんな先進性もまたロック!…もうそろそろおわかりだと思いますが、今回だいたいの事柄はロック!と語尾につけることで解決していきます。強引に。


とか言ってる間に集計が出ましたー。

というわけで、自ら足で数えてみた高円寺のロック的お店は以下のとおり。


 ロック関連=12軒 酒場関連=76軒

 定食屋関連=57軒 ファッション関連=35軒

 TATOO関連=2軒  計 876点


200m圏内と考えるとやはり店の数は多いなあ、特に酒場関連!これに普通の八百屋やら肉屋やら文房具屋やら、といった普通の店もあるんだからやはり街の規模はデカい。庶民的な街、といっても普通の街に比べるとビッグタウンですなあ。ロックはその一面でしかない。

さて続いては下北沢。またこれが高円寺と比較すると「ある特性」がハッキリ見えてくるんですよね。



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