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土曜ワイド工場
 
夢のソーセージ専門店
好物を食べて楽しかった、という記事です

ソーセージはどんな店にもある。焼肉屋にもあるし、コンビニにもホテルの朝食にもある。そば屋のトッピングや回転寿司でも見たことがある。それが嬉しくてウインナー部というコーナーを作って更新している。

だけど専門の店を見たことがない。専門の販売店はあるが、その場で食べさせてくれる店がないのだ。

ソーセージを愛するものとしてはそういう夢みたいな店がないものかと思って検索していたら、昨年11月に恵比寿にできたという情報を得た。

いってきます! (林 雄司



メニュー。ソーセージはすべて840円。

メニュー1ページ全部ソーセージ

お店の名前は「ソーセージスタイル 流行(はやり)」。

メニューにはチョリソー、ぶたの血のソーセージ、仔羊のソーセージ、韓国のソーセージ(スンデ)、中国のソーセージ(腸詰)、鶏レバーのソーセージなどがならぶ。

しかもソーセージはすべて自家製である。

本日のもりあわせも当然ソーセージ。

盛り合わせ 1990円。手前が絹ごしソーセージ。右がぶたの血のソーセージ、左上が腸詰め。今回の記事は写真大きめです。
絹ごしソーセージの断面
鶏レバーのソーセージ

ソーセージで世界を横断

ぶたの血のソーセージはフランス料理である。このひと皿だけで独・仏・中が揃っている。中華の店にあるソーセージやフレンチの店にあるソーセージがここで食べられるのだ。ソーセージ万博か。

さて肝心の味だが、ウマイ。

血のソーセージは濃厚なぶ厚い味だけど優しい。えぐかったりツンとしたところがない。いつも寝てるふとんみたいに気持ちいい。例えたつもりがより分かりにくくしている気がする。

下にひかれたマッシュポテトがまたぴったりあう。胸毛の主人を支える色白の妻。イメージのつもりがわりとそのままの表現になってどきどきしてます。

絹ごしソーセージははんぺんのような食感(もちろん肉ですよ)。続いてオーダーした鶏レバーのソーセージは冷製。

メニューに書いてあるとおりフォアグラのようで、添えられたフルーツチャツネと食べるとまたうまい。なんて書きながら実はフォアグラは3回、チャツネもインドカレー屋さんで2回食べただけなのだが、合計5回でもうまさはわかる。うまい。そして今でも味がよみがえる。

甘い、うま味、濃厚、クリーミー、羊腸の食感。いつまでも食べていたい。

オーナーシェフ 村上武士さん
超オープンキッチンは内装屋にいいんですか?といわれるぐらい丸見え

5年前まで役者でした

どのソーセージもうまい。そして付け合わせについてくるピクルス、お通しでもらったパンもう気が利いている。こりゃ相当なキャリアがあるのではと思って聞いたところ、

「5年前まで役者でした」

と予想外の返事。劇作家 唐十郎さんの劇団にいたという。そのころは料理はアルバイトのファミレスでやるぐらいだったそうだ。朝、モーニングを作ってそれから劇団に行って稽古という生活。

その後、料理の道を進んで、前の店でソーセージに出会いすっかりはまって2009年11月にこのソーセージ専門店をオープンさせた。

と書くと簡単だけど、前の店を辞めから自宅で「屋根が抜けるぐらい」材料と機材を持ち込んで研究したそうだ。

調理しているところが丸見えのオープンキッチン(カウンターにありがちな正面の板もない)も、このあとに登場する創作ソーセージも含めて言われてみれば調理人というよりも役者の発想である。

 

仔羊のソーセージ。「ハンバーグみたい」というお客さんもいるという。たしかに肉!という食感
超オープンなので料理しているところもすべて見えます。

これがチョコレートのソーセージ

チョコレートのソーセージ

メニューの最後のページにデザートが書いてある。

そこにもソーセージの文字がある。この日あったのはキャラメルナッツソーセージと、チョコレートのソーセージ。新作だというチョコレートのソーセージを頼んだ。

「じゃあ、チョコレートのソーセージを」とふつうに頼んでいるけど、かなり変わったことを言っているぞ。いま。

断面はみごとにチョコレート
デザートメニューに輝くソーセージの文字

ソーセージのなかには柔らかいチョコレートがみっちり詰まっている。甘さ控えめではない。でもびっくりするような甘さでもなかった。表面はバーナーでカリっとしている。

美味しんぼだったら揉めてるふたりがこれを食べて仲直りするだろうな、と思う味。うまいなーって実際に声を出すぐらい(言いました)。

チョコレートのソーセージなんてまだ誰もつくったことがなくて、腸を使わずにフレンチで使うシートがあるのでそれで包めば「ソーセージ風」にはなるけど、

「でもそれだと、食べて『なーんだ』ってなるでしょ」

ということで腸にこだわったという。ソーセージ愛だ。


ソーセージ系男子の店

ソーセージ以外にもチャーハンやグラタンという男子が好きなものが揃っている。もちろんお酒も。

村上さんは「骨付きもうけるだろうな、サーロインとか魚肉もいつかやってみたいですねー」とわくわくするようなことを言っておりましたよ。

じゅー

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ソーセージスタイル 流行(はやり) ホームページ
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿3-48-5
電話:03-5422-8467
営業時間:18:00〜25:00 水曜日定休


 
   

 
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