デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


ひらめきの月曜日
 
イカで作ったイ革ジャン

いざ出陣


イカの鎧を羽織り、
イカの腰巻を巻き、

篭手をはめて、
兜をかぶる。

そして軍配を携えれば、


イカ武者だ!!


どうだろう、しっかり鎧に見えないだろうか。作ってる時鎧に 見えたことを思い出した。鎧ならば袖がない、腕が動かせる。 みようみまねで作ってみたらば案外それっぽい物が出来ちゃった。

もう甲冑にしようと小道具も作ってみたらどうにか甲冑に見える。 これを着たら武者だ、イカ武者だ。よし、行こう。天下を獲りに 行こう。自転車で。


信号はちゃんと守るイカ武者。


大阪城到着、敵襲じゃー!!

漠然と天下を獲りに行くと言ったが来たのはもちろん、大阪城。


到着じゃ!!


天下人に一番近い豊臣秀吉、奴をやっつけて一気にのし上がろう という腹だ。

という設定で、以前「シメジで作った姫路城」という記事で 知った「お城にいる人は変なものをチヤホヤしてくれる」 という事を使う魂胆だ。と、思っているところに早速きたぞ。


鼻をつまむな、ウボァーって言うな。


敵襲だ!「ていくあぴくちゃー?」と言いながら人が寄ってきた。子供が二人襲ってくる。この子供がホント、いい顔、動きをするんだ、驚くほどに。子供には勝てないと再確認。

ちょっと嬉しくなって袖のイカのエンペラ部分(よく耳と言われるところ)をちぎってあげたらすぐ食ってた。上手く敵を手なずけた、はい、こいつら俺の部下ね。

 

やっぱりドンドン来る。

最初の敵襲を難なくかわし、先へ進む。流石は本拠地だけあって敵の量が半端じゃない。


写真二枚目はサングラスを掛けなおしてた。日本に旅行に来る人は写真で「決め」る力が強いと思う。
握手じゃなくてエンペラあげてる。

途切れることのない敵の波。囲まれるごとに写真を撮られるがそれには負けじとエンペラあげる。お腹が減ったなら僕の鎧をお食べ。だ!そして渡すとぐ食べる。ちょっとはお前ら警戒しろ。

 

城に入れるだろうか。

ばったばったとなぎ倒し(満腹にすること)城の入り口まで辿り着いた。この格好で入れるだろうか。心配しながら歩いていくと片付け作業をしている。しまった、時間切れか。今までの奴らは足止めか!


(撃)てー!! こんなことしてるから遅れるんだよ。


僕「すいませーん、もう入れないんですか?」

お兄さん「あー、もう4時半までの入場時間すぎたんでねー」

なんと。すでにチケットを買ってあったが営業時間5時までと書いてあった。そうか、入場時間なるものもあったのか。

僕「すぐ出ますんでお願いできませんか」

お兄さん「じゃあ、5時までには出てくださいね」

僕「ありがとうございます!」

よかった、入れた!おそらく入場時間に意識がいって僕の格好までは気が回らなかったとみえる。そう思いながら歩いていくと無線の話し声が聞こえる。

お兄さん「こちら入場門、時間を勘違いしていたという人を入れました。妙な鎧みたいなの着てるんで対応お願いします」 

えー!すっごい警戒されてる!これは気を引き締めねば。

 

突入!

ついにここまでやってきた、ついに突入のときがやって来た。一人で城が落とせるものか。読んでいる人の中にはこう思っている人もいるかも知れない。だけど僕は一人じゃない。


討ち入りじゃー!全軍突っ込めー!!


それは「エンペラ食べた部下がいる」というたわごとでなく、実際にいるのだ、まとっているのだ。僕は一人と270イカだ!270もの軍勢だ。負傷者もいるが、この兵力なら城を落とせる!


もちろん中でも敵襲は続く。


休まず来る敵をものともせずに進んでいく。また何人か犠牲となったがかたきは討つぞ。

 

敵を知ることも重要だ

天守閣を駆け上る。最終決戦はすぐそこだ。だがその前に敵を知らねば戦には勝てぬ。そこもしっかりしていこう。


へー、秀吉って昔は羽柴って苗字だったんだー。
僕のイカ軍を可視化したらこんな感じよ。

鹿の兜があるならイカの兜もあっていいんじゃないか。左のなんてお茶碗じゃん。
コイツが一番上手いねー。

他にも甲冑とかあって一緒に写真撮りたかったんだけどそこは撮影禁止だったんだよー。

って、しまった!楽しんでた。おのれ、秀吉め、姑息な罠を仕掛けよって。一気に最上階へ攻め込むぞ!

 

満足しました


大阪城陥落!!


最上階に登るとすでに誰もいなかった。秀吉め、恐れをなして逃げよったか。まぁいい、大阪城の城主こそが天下人たる証である。つまり獲ったぞ天下。イカと僕で天下を獲ったぞ!!

よし、じゃあ営業時間が終わる前に急いで出なきゃ。


とりあえず顔ハメして
えー、ソフトクリーム屋さん閉まっちゃってるー。

目的は果たしたので後はやりたい事をやる。ノリノリで顔ハメ してー、ソフトクリームも食べたいな。えっ、もう閉店?あーあ、 食べたかったな。


いやー、今日は働いたわー。


代わりに缶ジュースを座って飲む。すると片付けをしていたおじさんに話しかけられた。

おじさん「そのイカはどこの産地のんや?」

なんだその興味。矛先がちょっとおかしくないか。

僕「やー、ちょっと産地は分かりません」

おじさん「なんや、どこぞの産地の人がイカのPRで来たんか思たら違うんかいな。じゃあなんでそんな格好してんねん?」

痛い。この質問が一番痛い。何でと言われたら理由は無い。

僕「あぁ、しゅ、趣味で…」 

おじさん「そーかー。じゃあ終わったら焼いて食べなな。ははは」

そういうとおじさんは去っていった。そうか、イカのPRか。今度この格好の理由を聞かれたら、そう答えよう。もう聞かれなかったけど。じゃあもう、いいかな。


私、普通の男の子に戻ります。


ありがとうございました。


城に着くまでは視線は集めこそすれ扱いは不審者だ。それが一転、城に着いた途端どうだこの人気っぷりは。いやー、ホント城はすごい。唯一の欠点は、似たような展開になっちゃうことだ。

何故だろうと自分に置き換えて考えてみたら、家の前にイカ武者がいたら嫌だけど観光地ならちょっと嬉しい。あぁ、確かに。と思ったよ。

なので皆さんもなんか目立つことするときは、観光地に行けばいいと思いますよ。特に城ね。

ちなみに切れ端から、ちびちびイカを食べてますが、一向に減る気配がありません。甲冑も食べたいので、スルメを楽に大量消費する方法がありましたらお知らせください。

猫にも大人気のイカ武者さん。もちろんあげない。 あげたら身ぐるみ剥がされそうな気がしたから。

< もどる ▽この記事のトップへ  

 
 

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.