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フェティッシュの火曜日
 
刺身だって電池になる

コレである。

子供向けの定番の科学実験で、レモン電池というのがある。レモンに電極を刺すとそれだけで電気が発生する、というアレである。

(text by 石川 大樹



天然の電池。640円也。(レモンは別売)

レモンが電池になるなんて

このレモン電池の実験、話にはよくきくのだが、実は僕自身、やったことがない。じゃあやってみよう、と思い立って材料を買いに行ったところ、一式まとめて実験セットとして売られていた。

便利だなー東急ハンズ。


セット内容は電子オルゴール、銅板、亜鉛板、そして説明書。銅板と亜鉛板は小さく割って、オルゴールは脱着しやすいように自分でワニ口をつけました
一方、レモンのほうは半分にカット。レモン。切りたてのレモンはすっごいさわやかな匂いがしますね

 


女子感覚で電気を起こす

おまじないみたいな話である。消しゴムのケースの内側に好きな人の名前を書いて、最後までその消しゴムを使い切ると恋が叶う。半分に切ったレモンに銅板と亜鉛板を刺し、その端に銅線をつなぐと電気が起きる。

小5女子になったつもりで、電極を差し込む。


25秒あたりから発電します

音が鳴った瞬間、小5女子の設定は吹き飛んで、普通に成人男子として「おおっ」て思ってしまった。ふしぎ!

ここで僕はすごいテンション上がったのだが、電子オルゴールからはビーーーローーーリーーーってすごいテンションの低い音が出た。実験用に低電圧で鳴るように作られている電子オルゴールだが、それでもこのスローミュージックぶり。


ビーーーーローーーーリーーーーブーーーーー

この実験セットを買うときにひとつ心配していたことがあって、それは「この電子オルゴールの曲目が、著作権の問題で掲載できないものだったらどうしよう」ということだった。

要らぬ心配であった。仮に入ってる曲がミッキーマウス・マーチだったとしても、あの鳴り方なら全く別の曲として裁判で戦えるのではないか。いや、そもそも、最後まであの曲がなんだかわからなかった。


どんなもんかと思い、電圧を測ってみると0.951ボルト
ということは2つつなげばLEDだってつきます。暗いけど

計ってみると、音の印象よりは、意外に電圧が出ていた。乾電池(1.5ボルト)の2/3に迫る数字だ。レモン3つでwiiリモコンが動く。振るたびに果汁が飛び散って目にはいるので注意が必要だが。

 

左から醤油、水、塩、酢、リンゴ

いよいよ自由研究っぽくなりますが

付属の説明書を見ると「他の果物や液体でもやってみよう!」って書いてあった。家にあったものでいくつか試してみよう。

ポイントは「酸性のものや、水分が多い物がよい」とのこと。

 

ちょっと時間をおいたので色が悪くてすいません

まずは、レモン以外の果物代表、リンゴだ。

電極を差し込むと、レモンより明らかに水分の少ない、サクッとした感触。酸性ぐあいもレモンほどではないはず。ハンデが多いように思えるが。


全く同じ、ビーーーローーーーリーーーー
計ってみると、1.028ボルト。次世代エネルギーはレモンよりリンゴに軍配

結果はいきなりの1ボルト超。レモンも越えた。話が違う!というのが率直な感想である。いままで「あのすっぱいレモンなら…」とレモン電池を特別視していたのだが、完全に騙されていた形だ。

それでは、逆に電気の起きそうにないものを。

水道水。もっとも身近な液体でもある。ここで高い電力を得られれば、文字通り電気を「湯水のように」使えるのではないか。石油掘るよりエコである。


汲みたての水道水。いわゆる「東京水」。(※東京都水道局が水質アピールのために水道水をペットボトルに詰めて売ってるのです)
計ってみると、0.840ボルト。リンゴ・レモンより低いけど、あの水がねえ、と思うとかなり見直す

という感じで、この実験、意外性の連続である。ひとつひとつ調べていくようすを全部紹介すると長くなるので、ここでは結果だけ見てもらおう。


○○+銅板+亜鉛板の結果

レモン電池はレモンが特別な成分だからできるのかと思っていたが、実はレモンに限らずかなりなんでもいいことがわかる。電気ってそんないいかげんなものだったのか。

酢は酸性だから好成績なのも納得。それより比べてみるとますます引き立つのが、水道水の高電圧。わざわざ作った塩水より電圧高いってどういうことだ。これが東京水の実力か。

 

電気の源はイオン

さて、「電池できたよー!」って喜んでいるだけでは、子供の自由研究と同じだ。ここは大人らしく、なぜ水道水で電気が起こるのか原因まで究明したい。

軽くネットで調べてみると、どうも液体の中のイオンが作用しているようだ。

イオン…。ここに核心があるのではないか。我々取材班は、さっそく現地へと飛んだ。(現地?)


ちなみに水道水のところで登場したこの人は、ハンダづけの時に基板を固定するための器具です。頭のところはルーペ

 

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