電気はレモンのみにて起きるにあらず
これで終わりではない。レモン電池の材料は、レモンと電極。そう、電極もイオン製のものを使ってこそ、真のイオン電池といえるのではないだろうか。
ということで、また計り比べです。今度は銅板のかわりに使えそうな金属を調べていく。ちなみにレモンがわりには先ほど成績のよかったジンジャーエールを使用。
アルミホイル
まずはアルミシリーズ3本。サクサクといきましょう。
電気実験の定番のアルミホイル。丸めて奥歯で噛むとガギーン!となることでおなじみだが、あれは電気が流れているのではないか。(というのは冗談のつもりだったが本当だった)
電池を作って計ってみると、電圧は0.508ボルト。大本命だったのだが意外に振るわず。
鍋のフタのネジ
鍋のフタの交換用ツマミ。ネジに金属が使われていたので買ってきた。こちらはアルミホイル合金と書いてあって、アルミとは少し違うようだ。
ネジだけ外して電池にして計ってみると、0.339ボルト。アルミホイルを下回る結果。どうもアルミ系は相性がよくないのかもしれない。
アルミ缶
前ページでトップバリュのジュースを使わずにトロピカーナを選んだ理由。それは缶がアルミ缶だったからだ。こうして晴れてアルミ缶の実験ができる。
ちなみにアルミ缶は内側がコーティングされてるので、中にジュースが入っててもそれだけでは電池にならず、飲んでもピリッとはいたしません。
数値が微振動して、安定せず。ここで初の測定不能がでました!アルミニウム勢、惨敗
LANケーブル
食品から電化製品まで、なんでも売ってるイオンのポテンシャルの高さを示すのが、このLANケーブルである。
切って剥いてみると意外に凝った作りをしていた。LANケーブルを被膜の上から触ったときのゴワゴワした感触、あれの正体は、細いビニール線がより合わされてる感触だったのか。
金タワシ
この金タワシ、酸化銀を使った抗菌仕様である。抗菌自体には今は興味はないが、他にはなかった金属なので違った結果が出るかもしれない。ビリッといってくれ!
フォーク
都市鉱山という言葉があるが、イオンはかなり鉱山度も高いはずだ。たぶん店中回ればレアメタル含むほとんどの金属が手に入るのではないだろうか。その中でも、特に産出量が多そうなのがステンレス。キッチン用品の大半がステンレスだからだ。代表としてフォークに出てもらいます。
竹炭
そして最後が、炭。パッケージに書かれた用途を見ると、ご飯に、お風呂に、車に、ペットに、寝室に、花瓶に…などなど、異常な活躍範囲の広さを誇っている。「電池に」とは書いてないが、ペットがいいなら電池もいいだろう。(そもそもペットにどうやって炭を使うのか)
アルミは全体に振るわず。LANケーブルは前ページの結果と同じ。タワシ、フォーク、竹炭がかなりの健闘を見せてくれた。ベストの素材はフォーク。もう乾電池の1.5ボルトも目前だ。あと1歩踏み出すために、やるべきことはまだひとつある。
まだある
さっき決めたのは電極の片方、銅の代わりだ。今度は電極の亜鉛側の代わりを決めれば、究極のイオン電池の完成だ。
さあ、実験…といってもさっきと同じ素材をもう1周するだけだし、いいかげんみんな飽きてきた頃だと思いますので、結果だけ見ていただきましょう。
実験セットについていた亜鉛板はかなり優秀だったようで、残念ながら代替品では1.2ボルトを越えるような電圧は出せなかった。
個々に見ていくと、前回振るわなかったアルミが今回は大暴れ。一方、あれだけ好成績を残した金タワシ竹炭がだんまり。全く逆の結果となった。くわしい理屈は割愛しますが、相方となる金属のイオン化傾向のちがいで、こんなことになるらしい。
ということで、最強のイオン電池はジンジャーエール+フォーク+アルミ缶の0.975ボルトということに決定!
電池は買え
というわけで、イオン電池、手は尽くしたが乾電池の1.5ボルトには届かなかった。
もしかしたら、今回調べなかった素材に、もっとすごい才能を秘めたものがあったかもしれない。いろいろ組み合わせてパワーを引き出すのはなんだか錬金術みたいで面白いので、暇な人は、これを越えるイオン電池ができないか調べてみてはいかがだろうか。忙しい人は無駄なことしてないで乾電池買ってください。僕もそうします。