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ひらめきの月曜日
 
区限定商品券で何が買える?


子供のころ、お小遣いをもらうのはもちろん嬉しかったが、たまに入学祝などで貰う図書券や商品券もまた新鮮で嬉しい贈り物だった。

商品券でものを買うとお釣りが現金化するのも魅力的だった。そういう時はなるべく安いものを買うよう心がけた。

本気で買い物するときでも、商品券の場合券面により金額の制限がある分、より使い道に頭を悩ませたものだ。なんでも際限なく買える現金と違って情緒がある。

大人になった今、商品券で買い物をすることはほとんどない。商品券を贈ってくれる人が周りにいないからだ。

また商品券で買い物がしたい。

榎並 紀行



おもちゃ感あふれすぎてる商品券

商品券といえば、まあ普通はこういうのである。


北区内の商店街加盟店で使える共通商品券

しかし、浅草でいま販売されているのはこんな商品券。

はろうきてぃ浅草小判とはろうきてぃ寛永通宝

小判である。かなりおもちゃ感あふれる見た目だが、れっきとした商品券だ。現在、浅草界隈にて期間限定で販売(3月7日まで販売、使用期限は14日まで)されているもので、浅草各商店街の加盟店で使える。

小判が1000円分で、寛永通宝が500円分の商品券になっている。


銀座線浅草駅出口前の人力車券販売所など浅草各所で販売

 

これを使って浅草を楽しむ

残念ながら、浅草観光の本丸というべき雷門後方の「仲見世通り」では使えないものの、33の商店街で買い物できると手元のパンフレットには書いてある。


そこには例えばこんな有名店や ※今半というテレビによく出る牛鍋屋さん

こんな老舗も含まれている ※創業天保8年の天ぷら屋さん

ちょっといい天丼だって食える

でも見た目こんなんだ

ただ見れば見るほどおもちゃっぽい(というかおもちゃそのもの)この小判。流通貨幣としての緊張感がまったく感じられないデザインである。
本当に使えるんだろうか。

パンフによれば「たぬき通り商店街」には使える店が多い

とりあえず、やさしそうなおばちゃんがやっている「野菜のおやき」という店で、おやきを買ってみる。

僕:「使えるんですね」

おばちゃん:「使ったのはアンタが始めてだけどね」

おばちゃんは一瞬怪訝そうな表情を浮かべたが、すぐさまニッコリ笑って寛永通宝(500円の方です)を受け取り、野沢菜のお焼きとお釣りの320円をくれた。小判、使えた。

この商品券キャンペーンが始まって既に1か月が経っているのだが、これがおばちゃんの初小判だったという。


使えることが分かったので、残った小判で昼めしを食べた

海老クリームコロッケ定食。お代は小判1枚

珍しい形だし、買い物用ではなく記念品として購入する人が多いのではとおばちゃんは推理していた。だが、そうだとしたら、地元商店での消費につながっていないわけで、経済対策になっていない。
商品券はあまりデザインに懲りすぎるとよくないようだ。

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