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フェティッシュの火曜日
 
ワークショップでバネ作ったり宇宙に行ったり

すごい勢いでおもちゃを作るワークショップ

つづいては、新しいおもちゃを考えるワークショップ。まずはこどもたちが考えたおもちゃを見てほしい。


「デラックス木刀運ぱん車/普通に動かすだけで馬力があり音がひびく。」
車はなんかすごそうなんだけど積荷は木刀専用
「世かいがえリモコン/ボタンをおしてなにかを言うと世かいがかわる。」
ものすごくカジュアルに世界を変える装置。この子の将来が楽しみです


「マユ毛メガネ/かけたらマユゲがボンッてなる」
絵のうまさと「ボンってなる」のわけわかんなさのギャップに惚れました
「はん人はおまえだ〜〜〜/ハートをおすとハートが出る」
は、犯人?


「ごみを食べるロボート!!!!/ごみをあげればいい(よい)」
いい(よい)のところがグッときました
「せいぎのつるぎ/せかいをはかいできる」
おうちみたいな絵もさることながら、「正義=世界を破壊」という価値観が凶暴すぎる

そんな感じで脳みそのいろんなツボをグイグイおされるような作品が目白押しだったわけですが、このワークショップのすごいところはそれだけではない。

なんと、このおもちゃを大人が本当に作ってしまうのだ。しかもその場で。


たとえばこのおしゃべり手袋。ずっとおしゃべりしてて話し相手になってくれる手袋、とのことなのだが
その試作品として組み立てられたものがこれ。試作品なので見た目は貧弱だけど、本当にしゃべる

着けてしゃべると動物の声になるマスク(これは大人が書いたやつですが)
それもこんなふうにすぐ形に!

大人が考えたおもちゃはこんな感じ

絵を見て作る物を決めてから、会場近くの100均で材料を買って組み立てて、機能のプログラミングをして…というところまでで3時間。その場でやっちゃおうっていう発想もすごいけど、実現してしまう覚悟と実行力もすごい。

やっているのはIAMASという大学院の、ガングプロジェクトというプロジェクトのメンバー。ふだんから研究の一環として、こうやって新しいおもちゃを考えて、実際に作っているとのこと。

子供向けのワークショップというと、子供向けに企画を用意することが多いのだけど、こうやって自分たちがふだんからやってることをそのまま子供にやってもらうっていうのもすごく面白い。

 

 

室内に急にそびえ立つベルリンの壁

真っ暗闇をつくろう

いいかげん原稿も長くなってきましたが、面白いのであと2つほど紹介します。こちらは「真っ暗つくり」のコーナー。

名前の通り、真っ暗闇をつくろう、というワークショップだ。


のぞき込むと、中にはこどもがびっしり

部屋を建てて

ワークショップは、まずダンボールを使って部屋を作るところから始まる。

部屋ができたら、今度はダンボールの隙間に銀紙のシールで目張りして、どんどん隙間をなくしていく。最終的には部屋にフタをして、真っ暗の空間を作ろう!というもの。


中からこんなふうにぺたぺたと隙間を埋めていきます
これがシール。けっこう小さくて、隙間を埋めるのは大変そう

部屋にフタをすると、中が真っ暗になる。ここでこどもたち大喜びですよ
中には暗視カメラが設置されていて、外にいる人にも光の漏れ具合がわかるようになっている

ワークショップにもいろいろあって、ふりかけみたいに学習的効果を期待するものとか、ピンクパーティや真っ暗つくりみたいに新しい感覚を体験をしてもらおうというものとか、主催者によってコンセプトもさまざま。

それでいて全部面白いんですよ。そこがすごい。

 

スクラッチというソフトを使っていて、ブロックを組み立てる感覚でプログラムがつくれる

最後は俺の話

で、最後に言うのもアレですが、実は宮城さんだけじゃなくて僕も出展者として参加していたのでちょっと紹介させてください。

僕が参加してたのは「こどもプログラミングサークル・スクラッチ」というワークショップで、文字通り、こどももプログラミングをやりましょう!というワークショップだ。


最初は簡単に説明をして、
あとはこどもたちに自由に作品を作ってもらいます。僕やその他のメンバーは、困ってる子にアドバイスする役

子供の作品。ドアをノックすると、後ろからオーストラリアの有袋類フクロオオカミが出てくるアニメーション。動物のチョイスが渋すぎる
「ルーレット」という課題で勢いあまってサルやテレビまで回してしまった…ところまではわかるけど、よく見ると漢字の「水」まで回っている初期衝動にあふれた一作

ここまでずっと参加者としてかいてきましたが、せっかくなので出展側としての感想も。

とにかくこどもがたくさんやってきて、大変だった。

2日間のうち初日は、ワークショップ6回の予定を結局8回開催、翌日は(僕は取材でいませんでしたが)なんと17回もやったそうだ。

「大変でした」って言っても、もちろん自分が面白くてやってるわけで、嬉しい悲鳴なんですけどね。

 

ワークショップ面白いですよ

ワークショップやってて何が面白いかっていうと(ここは人によって全然違うと思うんですが、個人的には)、まずこどもに「自由に作って」って言ったときに出てくるわけわかんないもの(前ページで書いたおもちゃみたいな)が面白い。

で、それ以上に、こどもが目の前でなにかを獲得していくのがおもしろい。

「なにかができるようになった」時の喜びって僕はなにより大きいと思っていて、例えばばねが作れるようになったとか、プログラミングできるようになったとか。そういう体験が、自分のことじゃないにしろ目の前でボコボコ起こっていく。

そんな特殊な状況が、変だし、楽しいなーと思います。こういうのは「体験する」ことに重きを置いてる、ワークショップっていう場ならではのことなんじゃないかな、と思っています。

ワークショップコレクションは毎年開催されていますので、来年はぜひ行ってみてください。

シリアスに締めてしまったので、宇宙からはみ出る宮城さんを再掲しておきます

 

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