神田川にはなぞの洞窟がある。
それらは分水路とよばれるもので、じつは以前もその中に入ったことがあったりする。
今回はそこに再訪し、こころ残りとなっていた謎について迫ろうという内容です。ただ、前回が5年も前のことなので、その記事の内容は前提とせず、あらためて分水路というものについて一から紹介したいと思います。
(三土たつお)
分水路との出会い
まず、分水路っていうものがけして特殊なものじゃないってことを説明したい。
というより、すでに出会っている人も多いのだ。たとえば東京の中央線や総武線で通勤通学している方。水道橋駅付近になにか妙なものがあるのに気がついたことはないでしょうか。
そう、これが分水路入口なのだ。中央線の車窓からも見えることと思う。
ほかにも
分水路との出会いはもちろんこれだけじゃない。
左の写真は西武線下落合駅の近く。神田川を覗き込むと左側になんだかあやしい入口が見える。右の写真は明治通りと新目白通りの交差点のあたりで、こちらも神田川だ。
見たことある!という方、けっこういるんじゃないでしょうか。
で、今回はその内部に、
入っていきたい!、ということなのでした。
でも上の写真とか超こわい。知り合いが入りたいとか言い出したら絶対だめっていうだろうし、実際危険なのでおすすめしません。特にゴムのカーテンが下りてるようなところは、内部にガスがたまってたりする可能性もあるそうです。
その前に、これはいったい何か?
だいぶ申し遅れましたが、そもそもこれはいったい何なのか?という話をしたいと思う。
道路にたとえると、分水路はバイパスにあたる。
本線に並行してバイパスをとおすことで渋滞を防ぐのと同じで、川幅を実質的に拡げることで増えた水を逃がし、洪水を防ぐ目的がある。
東京の川では神田川以外には分水路はほとんど見ない。神田川は都市の中にあって流路が狭く、たびたび洪水被害があったために集中的に整備されたのだ。
ただ、いまはそんなことはどうでもいい。この暗くてどきどきする入口のなかに入ってみたいのだ。ただし危険のない範囲で。