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ひらめきの月曜日
 
袋食パンの名前は完全にビールだ

3ラウンドに分けて食べました

結局、狙いを定めて買えたのは神戸屋の“のどごし食パン”だけであった。

そのほかはスーパーでこれもビールっぽい名前だぞと思ったものを買った。

ライ麦パンやレーズンパン意外の食パンはほとんどがビールっぽい名前だったので、探したというよりも、目に付いたものをただ買ったという印象だ。

全5種類は価格帯で3チームに分けて食べていこうと思う。


高瀬さんにジャムとバターを用意してもらいました。あと豆乳!


高いビールから飲むように、高いパンから食べよう

まず食べるのは、袋食パンとしては高額な200円前後のパンからだ。

ビールを飲むときも、たくさん飲もうという日はまず1本目はちゃんとしたビールだろう。なんならエビスとか、いわゆるプレミアムビールを投入したりする。

(いまさらですが、今回は発泡酒や新ジャンルも“ビール”と表記しています。なぜならそれらは私にとってビールだからです)


神戸屋「のどごし食パン」 1斤210円(1枚35円) ヤマザキパン「特撰 超芳醇」1斤198円(1枚33円)
重かったので半分は自宅においてきました 青に黄色にえんじ、というのはけっこうチャレンジングな配色

食べ比べはトーストで行います。左から、のどごし食パン 、特撰 超芳醇


確かにこれは「のどごし」だ!

「のどごし」というのは、そもそも日本のビールのひとつの指標だ。日本人が好むビールの要素だとも、よくいわれる。それをパンに求めたというのはけっこうすごい。


ただ、“キリン のどごし 生”がビール系飲料のなかでもかなり低価格帯で勝負しているのと違い、食パンの方の“のどごし”は今回一番高価なパンだった。味はどうか。

「……? 味があまりないみたいですね」
「口どけはすごくいいです。キメは荒いんだなあ」

口に残るような後味がなく、スッキリしている。そういう意味で「のどごし」は確かにとてもいい。味という とっかかりがあまりなく、スカッとして後に残らない。

そういう意味でもちょっとビールっぽいかもしれないぞ。味にとっかかりがないというところは、そうだ、“キリン のどごし”に似てる!

今回のパンの中では一番高価なはずなのに名前の通り“キリンのどごし”に似ているという結果が出てしまった。

ビール的にいうともうこの下の価格帯はあまり存在しないわけだが、袋食パンはここから先、大丈夫だろうか。


ひきがなく、ぱかっと割れた。キレがある


特撰の「撰」がビールっぽい

続いてヤマザキパンの“特撰 超芳醇” 。“超”な上に、特撰”ときた。シリーズでは“芳醇”、“超芳醇”とあり、その上に君臨する食パンのようだ。

特撰の“撰”が“選”じゃないのもまたそれっぽい。

「アサヒのプレミアムビールに“熟撰”というのがありますね(ビールのリストを作って持ってきました)」
「本当だ。こっちも“撰”は“選”じゃないんですね」

“撰”の字一つとっても食パンとビールは同じである。

「もっちり、しっとりしてますね。引きもあるし、普通のベーカリーのパンみたい」とは高瀬さん。

確かに高いいパンという味だ。特撰、納得である。少なくとも、今回の5品の中では“キリン熟撰”レベルのプレミアムな存在かもしれない。


パンらしいヒキがちゃんとある!

これはちゃんとおいしいですよ!

第2ラウンドはおなじみの超熟

続いてパスコの“超熟”だ。今回買いまわったスーパーやコンビニでもこのパンはかなりの率で置いてあった。高瀬さんも今回の中で唯一食べたことがあるという。都内ではかなりの市場シェアを誇るパンのようだ。

今回、ラウンド分けしている価格帯は売価で私は168円で買ったのだが、この超熟、メーカー希望価格は1斤231円ということがあとで調べて分かった。

ビールも特に新ジャンルだと店やタイミングで売価がかなり違う。食パンはそこもビールに似ているのだった。さあ、いよいよ食パンはビールだ。


パスコ「超熟」 1斤168円(1枚28円)
買ったのは3枚入りですが、同じスーパーでは1斤168円

あっ、このパン知ってるぞというビジュアル


「熟」はビールの字でもある

「熟」というと、アサヒのプレミアムビール“熟撰もそうだし、キリンの発泡酒には“円熟”という商品もある。かなりビールのイメージの強い文字だ。

超熟ほどにどこにでも売っているパンからして名前は完全にビール。なのに、なぜ今まで食パンのビール性に気づかなかったのだろう。不思議なくらいだ。

「むちっとしていて食感はおいしいですね。でもそれほど味わいはないかなあ。ハムとかチーズとかと一緒に食べる前提であえてこうなのかも」

そういう高瀬さんに「ああ、そうですねえ」とぼんやり返事をしながら、瞬間、

「あっ! 高瀬さん! ハムとかチーズを一緒にって、それ、ビールってことですよ!」と気づいたのだった。

高瀬さんとふたり、やはり食パンはビールであると感心しながらパンをはむ。もぐもぐ。


「食パンは、ビールである」とメモ


スーパーのPBビール価格帯の、パン

これまで3品を食べた。ビールだったら徐々にいい気分になってきている頃だろうか。食パンを食べた私たちも小麦がお腹にたまってきて十分いい気分だ。

最後に食べるのは、1斤98円と88円という低価格でゲットした食パンたち。

ビールでいうなら、ちょっと前に出た、350mlが1缶100円(売価ではそれ以下のことも)という驚きの、スーパーマーケットが出しているようなプライベートブランドのビールといったところだろうか。さて。


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