気になる気になる
つけ爪を付けて街に繰り出した。というか、爪を付ける時点ですでに街に繰り出していたのだけれど、爪を付ける前と付けてからでは世界が変わった。もう爪中心の生活だ。爪のことしか考えられないのだ。
先にも書いたように自分の手ではない感じがして気になるのだ。いつもの感覚で歩いていても、爪が服に当たったり、風をいつもよりも切っているような気がしたりして、なんだか気になる。とりあえず長い爪は、たとえつけ爪でも一日にして成らずということが分かった。
痛い痛い
外にいるとお財布や携帯電話などをポケットから取り出すという場面が多々ある。それは電車に乗るためや、缶ジュースを買うため、電話が鳴ったためなど。その都度、ジーパンのポケットに手を入れるのだけれど、驚くほど痛いのだ。
狭いスペースに指を入れるので爪があらぬ方向へ持っていかれそうになる。そして、つけ爪を付けたのが瞬間接着剤だったためか、僕の本当の爪ごと持って行かれそうになるのだ。
ちょっと爪がどこかに当たっただけで、爪が剥げてしまいそうになる。そのため僕はポケットに手を入れる度、どこかに爪が当たる度に「あ!」とか「う〜!」とかと適所で出せばとても艶っぽい声を出す羽目になってしまった。