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チャレンジの日曜日
 
区画整理地域のすごい建物@中国


これが日常なんだからわけがわからない。

なんか今年に入ってから、中国のいろんなところで家という家が重機で壊されている場面を見たような気がする。見たような気がするじゃあなくて、見た。

日本だったら、壊れかけの大きな建物をフェンス越しに見るだけで、妙な不安定感・非日常感にドキドキするはずなんだが、見慣れてしまったから、いくら壊れた家を間近に見てもなんとも思わなくなってしまった。慣れってこわい。

そんな僕でもカメラを向けずにはいられない素敵な物件がいくつかあった。それを紹介したい。

ライスマウンテン



圧倒的な存在感

壊れた家を見慣れなくとも、区画整理で家破壊ラッシュが身近になくとも、広く瓦礫となった土地の真ん中に壊れかけの家は、誰が見てもわかるほどインパクトは強烈。その圧倒的な存在と不安定感に、目が釘付けになることうけあいだ。

まずは入門編として、空間の中に残る最後の抵抗ともいうべき物件を紹介しよう。


こんな場面に出くわしたら写真を撮るしかないだろう。右の人々があまりに小さい。

「危険、上るべからず」と大きく書かれた建物の横で、金目のものを探しているらしい人。

2つ建物のセット。左の建物もほとんど瓦礫と化している。

右の建物も壁だけとなっている。なぜそんな壊し方を。

まるで区画整理のモンサンミッシェル。
中の家々に窓ガラスはなく、これから壊れてなくなっていくのは確実。

 

そこかしこに迫る廃墟

紹介したような無の空間にどんと非日常の建物があれば、それは驚いて当然だが、もちろん道や普通の家々のすぐ近くで壊れた家が迫るシチュエーションもある。それもそれで味わい深い。


振り向きさえしない人々。むしろ写真撮るぼくを周りは不審がる。ここはどこだ!?

一見だけ中心から壊されても目立つ。

壊されるガソリンスタンドというのが、なんとも不安定で、危険で、見入る。

 

いわゆる秘孔を突くという行為

中国といえども家は突然壊されるわけではない。壊す前の前段階というものはある。

「この付近の建物は古い。一掃だ!」と決めれば、「ここは壊すよ」という意味の「丸字に拆という字」のマークを壁という壁に書いていく。北斗の拳のケンシロウらが行う「秘孔を突く」行為であり、建物に対し「お前はもう死んでいる」という宣告を告げるようなものである。


右の家に拆という字が。もう壊されるのは時間の問題だ。

新しい建物にも拆の字はつく。

手前の壁から奥の建物までまんべんなく拆の字。

マンションにビッシリ拆の字。区画整理のケンシロウがいるならば、北斗百烈拳をついた直後のよう。

拆の字が反対に書かれているのは住民の些細な抵抗か、それともなんとなく間違えたのか。

なくなるから困る。

写真でうったえようと、普段よりも大きな写真の記事にしたが、魅力が伝わればぼくも仲間ができて嬉しい。普通おすすめの物件紹介記事となれば、行き方を紹介するのが常だが、こうした物件は紹介したところで、いつなくなるかわからないから紹介できずに困る。

「破壊から創造へ」とはいうけれど、ここまで豪快に破壊しちゃうのは中国ならでは。日本ではこうはいかない。たぶん他の国でも。

こうした風景を利用しない手はもったいない。中国区画整理地域巡りツアーでも各都市は行うべきではないか。でもやる場合は中国様は企画料をぼくに恵んでください。


 
 

 

 
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