続いて見てみるのは、「東京都民の日」を記念して作られたカッパのバッジだ。「隅田川にはカッパの巣がたくさんあった」という伝承にちなんで、1956年〜1997年まで作られていたという。
ちなみに、当時、都民の日にこのバッヂをつけていると、バスや都営の公共施設がタダになったらしい(マンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』にそういうことが描いてあった)。
大島「これは甲羅が身体に密着して、やわらかそうですよね。これも江戸時代のカッパですよ。」
「それから、このカッパ、髪の毛をとかしている。カッパが人間の流行にかぶれて、髪型を気にしたりする様子が、江戸時代の黄表紙の中にあるんですよ」
「黄表紙」というのは、江戸時代に出版されていた、大人向けのマンガのような本のことだ。つまり、このバッヂの「カッパが髪の毛をとかす仕草」は「江戸のマンガのキャラクターとしてのカッパ」の性格を忠実に継承している、ということらしい。
大島「このカッパ、口元の処理が素晴らしいですよね。これ、スッポンの口ですよ。口がスッポンになっているのも江戸時代のカッパの特徴です」
ちなみに、左下の画像がスッポンの口だ。正面からは捉えられなかったが、なんとなくの雰囲気は伝わるだろうか。 |