町おこし、はじめました
住宅街の中にあったのは小船寿司というお店。 「笠間のいなり寿司」と書かれたのぼりがあったので気づくことができたが、知らなければ通り過ぎてしまいそうだ。
ごめんくださいとお店をのぞくと、地元のおなじみさんらしきお客さんがいた。 店の奥ではご夫婦(たぶん)が普通の生寿司を折り詰めしていた。 その合間にいなり寿司を注文。 「今日はゴマいなりとクルミいなりの2種類ですよ」とのことなので、では両方ひとつずつとお願いした。
いなり寿司2つで140円。 間違えているんじゃないかという安さだ。 さっそく食べたいところだが(たくさん食べることを想定して朝食抜きだ)、ひととおりいなり寿司を買い集めてから食べることにしよう。
神社へ
「いなり寿司が名物」と聞いてきたものの、どのくらいのトーンで「名物」なのか、実際に来てみるまでは不安だ。 でも、まずはひとついなり寿司を入手できたので、気持ちはぐっと軽くなり、町並みを楽しむ余裕ができた。 お散歩気分で神社に向かう。
いざ稲荷
笠間稲荷神社は駅から1.5kmほどのところにある。 ゆっくり歩いて30分くらいだろうか。 初めての町を散歩するにはちょうどよい距離だ。
参道の前には土産物屋やお菓子屋、そば屋などがずらりと並んでいる。 平日の日中なのにちらほらとながら観光客もおり、さすが日本三大稲荷というだけはある。 この門前商店街にいなり寿司の店が並んでいるはずだ。
はためく「笠間のいな吉」
並んでいるはずだ、などともったいぶってしまったが、通りのあちこちに「笠間のいなり寿司」と書かれたのぼりがはためいている。 やる気満々な感じだ。 のぼりに描かれているきつねは「笠間のいな吉」というマスコットキャラクターらしい。
さらさらっと見回しただけでも、そこここに「いなり寿司」の文字が見える。 店頭にガラスケースを出して販売している店もある。 食品サンプルにもいなり寿司。 まさにユビキタスいなり寿司だ。 いなり寿司好きとしては胸の鼓動が高鳴る瞬間である。
いなり寿司買いあさり
いや、高鳴るというのは大げさだけれど、でもこれだけのお店で違う種類のいなり寿司が味わえるというのは、人並み程のいなり寿司好きでも、ワクワクくらいはするのではないだろうか。
とりあえず、目についた店から順番にいなり寿司を買い求めた。 どんどんとハシゴしながらいなり寿司を買いあさる。 とてもうれしい反面、ほんのすこし罪の意識もちらっと顔を見せるのはどうしてだろうか。