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ひらめきの月曜日
 
人はどれだけ急にウソをつけるのか

とっさに出るのは記憶や体験?

続いては、映像編集の仕事をしているジンペイくん。やはりウソをつくというと「どれだけウソにしやすいネタ元を持ってるか」が大事だと思うのだけれど、自分の周りでは一番の映画通であるのが彼。疑似体験という意味ではネタ元は多いはず。どういうウソが出るのか…。


ウソの後は『第9地区』の話しました。

−−昨日何してました?

「昨日はですねぇ、仕事がすごい忙しくて」

−−何の仕事でしたっけ?

「え〜っと…(笑)…そっか…。アハハハ!」

−−こういう風にツッこんでいくんで(笑)。

「そういうツッコミは予想してなかったな…。
産婦人科医をやってまして」

−−どう忙しかったんですか?

「昨日は定時であがるはずだったんですけど、ちょっと急に産気づいた患者さんが来て、ちょっと残ることになっちゃって。ほぼ泊まりで。帰れなくはなかったけどそのまま病院にいて」

−−妊婦さんはどんな人でした?

「えーっと、26歳で2人目っていう話で。二人目だから大丈夫かなとも思ったんだけど、思ったより早くなったみたいで予定してなくて」

−−ではこれまでで一番大変だったお産は?

「それねえ〜。最近は早く生む傾向があるんだけど、ぜんぜん出てこなくって。それで11ヶ月くらい?だいぶ長いんで大きくなりすぎて、出すのが大変だったのくらいですね」

−−そういえばこの前彼女とデートしたって言ってましたけど。

「はいはいはい!あれは彼女自体がウソで、『ラブプラス』なんですよ。秋葉原行ってひとりでいただけで」

−−前の彼女と別れてどのくらいですっけ

「え〜っと、いやもう寧々さん一筋なんで」

−−昔のことは忘れたと。

「そうですね」

−−じゃあ今度出る新作について教えてください。

「ああ〜、えっとねぇ。ついに3D化されることになりまして。今までは2Dだったのが今回は触れるという」


終わるやいなや「3分短けえ…」と漏らしたジンペイくん。最初つまずきつつも産婦人科医という珍しい設定にも関わらずそれ以上のクリア。それにしてもこの嘘インタビュー、やってくうちに相手の困りそうな質問を考えて聞くのが楽しくなってくるな。性格の悪い面接官ってこんな気分なんだろう。面白ぇ!

ちなみに産婦人科医という珍しい設定が出たのは、お爺ちゃんが産婦人科医だからだそう。なるほどなあ、映画とか本とかより、もっと自分に近い物からとっさに言葉が出るというのもあるようで。

続いて4人目はイベントディレクター/ファシリテーターのフジシンさん。彼も物作り系の仕事だけに、情報インプットは多いはず。そんな彼のウソとは…。


高橋名人などを招いてイベントやってます。

−−昨日は何してましたか?

「えー、車に乗ってドライブしてました」

−−どの辺を?

「あそこです。あのぉー、大泉学園」

−−家どこでしたっけ?

「板橋区です」

−−大泉学園は何をしに?

「実はですね、車に乗って行ったことない珍しい喫茶店に行ってみようかと」

−−そういうのが趣味で。

「そうです」

−−そこはどういう店なんですか?

「チェーン店じゃない、普通の個人でやってるような喫茶店をやっていて。そこはですね〜、最近の傾向だと思うんですけど、禁煙席がむちゃくちゃ多くて喫煙席が少なくなってるっていう。でもなおかつ喫煙は出来ると」

−−えー、それ普通じゃん(笑)。

「そうですね(笑)」

−−じゃあ今まで行った中で面白かった喫茶店って?

「全部椅子がない所ですね。カフェでもなくって喫茶店なんだけど、テーブルしかなくって」

−−その店の売りのメニューってある?

「青汁と、えー、まかないです」

−−まかない料理って?

「モツ煮でした」

−−喫茶店というより居酒屋じゃん(笑)。あと今仕事は何してるんでしたっけ?

「仕事はー、えー、実はレスラーをやってます」

−−どこの団体?

「実は『パッチワークプロレスリング』という、そう言った名前の団体で」

−−特徴は何ですか?

「下は5歳の女の子から60以上の年代を取りそろえた団体となってます。あとは史上初の…なんといったらいいかな〜。史上初といっていいのかな〜。水中と空中と地下の同時3つリングあるんです」

−−キン肉マンみたいだ(笑)。ちなみにパッチワークの意味は?

「メインのレスラーがいうには、古着を切りとって今まであったものを繋ぎ合わせて物をつくる、パッチワークになぞらえて作ってみようと」

−−ちなみにリングネームは?

「あっ、えー、ミサイル…ミサイル藤原という名前になってます」


「いやー、喫茶店は自分で言ってて普通だなあと思いました(笑)ウソ通すのって難しいすね」と言うフジシンさん。それにしては後半、『パッチワークプロレスリング』なんて名前がサラリとよく出たものだけど。もちろん実在の団体名ではありません。

「『パッチワークプロレスリング』って、僕が中学生の時に考えた団体なんです(笑)。それが記憶のどっかからいきなり出てきた。考えた団体だから、自分がいないんですよね。だからリングネームは浮かばなかったんです(笑)」

中学生の記憶が突然に…。催眠術はこれまでに体験したことあるものなら再現出来るが、経験のないものは不可能だという。「とっさのウソ」も過去にある経験や記憶の中からしか出てこないのかもしれない。


リアルな嘘の付き方・2

自分の経験したことからしか

リアルなウソはつけない


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