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とくべつ企画
 
激動!さきたま古墳群で悠久の古代ロマン

埼玉県の古墳を見に行きました

「激」をテーマに一つ、と編集部から話を貰った時に、僕の頭の中には「激動」という言葉が浮かんだ。どうせなら、でかくて揺るぎないものの激動を書きたい。

ならば、テーマは「歴史の激動」で決まりだ。

(text by 斎藤充博


 

「さきたま古墳公園」は古墳がいっぱい

歴史の激動を味わうにはどうしたらいいだろう。すこし考えて僕は、埼玉県行田市の「さきたま古墳公園」に向かうことにした。古墳が作られていたのはだいたい6世紀のあたり。歴史的にこれほどの大物もあるまい。激動を味わえるとしたら、ここだ!


高崎線行田駅で無料自転車を貸し出してくれる
行田駅から10分も走ると、さきたま古墳公園。天気が良くてうれしい

こんなふつうの公園に見えますが

あっちにも古墳がある
こっちにも古墳がある

埼玉県は古墳が多く残っている地域だ。さきたま古墳公園には大きいものだけで9個の古墳がある。古墳は古代権力者達の闘争の名残だ。さあ、どこだ。激動。激動の歴史。


日本最大の円墳、丸墓山古墳に続く道。ちなみにこの道は石田三成が作ったらしい(公園内の看板に書いてあった)

日本最大の円墳に登れる。程々に手応えのある高低差

古墳からとなりの古墳を見る
(丸墓山古墳から稲荷山古墳を見てます)
稲荷山古墳にも登れる。前方後円墳(あのカギ穴型)はこんな風に見えるんですな

すごくのどかで、「激動」を探す気持が抜けて行っちゃう感じ

長雨の後に久しぶりに来た晴天で、すごく気持がいい。開ける視界、新緑の香り。ゴールデンウイークはぜひ、さきたま古墳公園で!と言って終わっても全然良い気がするのだが、僕が探しにきたのは激動だ。このままではいけない。

 

 

激動その1・古墳をながめているとトマトに行き着く

そんなことを考えていた時のことだ。古墳のすぐわきに、トマト直売の看板を見つけた。


古墳(画面奥の丘みたいなもの)よりも、トマトの看板が目につく

看板に導かれてみると、どう見ても民家に
やっぱり民家。左の建物でトマト販売をしていた

400円って値段が高いんだか安いんだかよくわからない。ここから出たら、民家からかなりの高齢と思しきおばあちゃんが出てきて、会釈してくれた

古墳を見物していたら、いつの間にかトマトの看板に導かれ、こんなところに着てしまった。なんかおかしいぞ。お菓子の家に迷い込んでしまった、ヘンゼルとグレーテルみたいだ。お菓子じゃなくて、トマトだけれども。

あ。これはひょっとしたら…激動の展開ということじゃないだろうか。トマト直売と古墳。古墳の周りには、古代人と現代人の激動のせめぎ合いがあるのだ。なるほど!

 

激動その2・古墳と張り合う石材店

そういう視点で見てみると、この古墳公園のすぐ近くにある石材店の様子なんかもかなりの激動だろう。


画面奥に見えるのが古墳

日本最大の円墳を睨みつけるように設置されている、現代の墓石たち。確かに大きさでは現代のお墓は古代には負けてしまうが、この石材の加工技術は古代にはあるまい。

僕はこの石材店に、古代権力者への巨大な反発心を感じる。千年以上の時の彼方に向けて燃える心、これを激動と言わずしてなんと言おうか。

お前ら(墓石)、全員整列じゃ

 

激動その3・思い思いの遊び方で過ごす地域住民

古墳には古代人の魂が眠っているわけで、彼らの視点から見ると、また一つ激動が見えてくる。古墳の周りで、思い思いに遊ぶ人たち。そんな人たちを見て、古代人は冷静でいられるだろうか。いや、その気持は嫉妬で激動しているはずだ。


古墳とか関係なしにシャボン玉で遊ぶ兄妹
古墳のわきでバッティング練習に興じる親子(画面奥に見えるのは古墳)

昔の人から見たら、シャボン玉なんてうらやましくてしょうがないはずだ

なんてことのない立て看板も、古代人の嫉妬をあおるのではないか

後に生まれたもん勝ちですな

 

さきたま古墳公園は、のどかでいいところだ

すいません。いくつか書きましたが、全然「激動」じゃないですね。

この公園、すごくゆったりとした気持のいいところで、ここで歴史の「激動」があったなんて、全く思えないような雰囲気でした。むしろこれが、古代からの悠久の時がなせる技かもしれません。

ちなみにこの記事の掲載される5月4日は、この公園でお祭りがあるみたいです。その名も「火祭り」。しまった!こっちの方がなんか本当に激動っぽい!

 

雨天決行。夜8時まで営業。関東近郊の方々、この記事を11時に見てからでも間に合いますよ

屋台も準備万端!

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