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ひらめきの月曜日
 
ゆるキャラを眺めながら、埼玉B級グルメを…


「絶対、こんな感じになると思った。何、この混み具合。GWなのに、みんな県内から出ないのかしら」
「だってさあ、不況だし…1食、200円っていう破格だしさ…」
「だいたいがさあ、何このオペレーションの悪さ。焼きうどん買うのに40分待ちって何なのよ。ビール会社が協賛してるのに、生ビールが売ってないっていう のも意味わかんないわ。ぷんすかぷんすか」
「まあねえ、何でだろうねえ…。場所選びもねえ、もっと広い場所でやれば良かったのにね。突っ込みどころは満載なんだけど、だけどさあ…」
「まあ、埼玉だからね」
「埼玉だもんね…」
がっくりと首をうなだれる、私と友人(2人とも、ばっちり埼玉県出身。埼玉っ子)。

大塚 幸代


ものすごい人出…! 最後尾にはプラカード。「販売中止」と出てるのは、これ以上列が伸びたらヤバイという表向きのサインで、並んでも大丈夫でした。

他県民に言われるとムカつくが、自分ではばんばん、埼玉の悪口を言ってしまう。
これはもう仕方がないことなのかもしれない。
だって埼玉には、何もない。
海もない。温泉地もない。世界遺産もない。
あるのは妙にどでかいショッピングセンターだけ。でも車の免許のない人(子供達や、私みたいな運動オンチ)は、そこすら行けない。あるのは閉塞感ばかり。
名産もない。細かく言うとあるのかもしれないが、宇都宮のギョウザー、とか、栃木のイチゴー、とか、そういうのすら、ない。一応、地方の親戚には「狭山 茶」を送ったりするが、狭山茶が全国区のメジャーなのかどうか、いまいち分からないまま送っている。
「埼玉が頑張ってるっていうから、このイベントに来たのになあ」
「1品につき40分待ちでしょ、24品の屋台が出てるでしょ…制覇なんか、出来るわけないじゃない」
「出来ないねえ」
「代々木公園のタイフェスも、アースデイも、すごく並ぶけど、これほど並ばないわよ」
「フジロックもだよ」
「フジロック超えか!」
ぶつくさ言いながら、2人で別のブースに並んだ。


ソース焼きうどん(鳩ヶ谷市)。ブルドックソースの工場が市内にあることから、広まったというメニュー。「近くにソース工場があったから」というストレートな理由にぐっときます。焼うどん用のソースも専用開発されているとか。こってりしてて美味しい一品でした。

和楽備茶漬け(蕨市)。

07年に、町おこしのために開発されたメニューのようです。和風ベースなんだけど洋風の味もする…という不思議味のカレーの中に、おにぎりが入っていて、くずしながら食べます。美味しいけど、B級グルメにしては、ちょっと上品かも。


「……何これ、ふたつとも美味しいじゃないのよ!」
「そうなんだけどねえ。生ビールも売ってないし、この日差しの中で、他のものも全部買うために、ずーっと並んでたら、私は倒れるね」
「他、何売ってるの?」
「スイーツ仰天餃子(さいたま市)、桶川いなかうどん(桶川市)、とまとルンルン揚げ餃子(北本市)、小松菜餃子(三郷市)、 みやしろ棒ギョーザ(宮代市)、はたざくらカッピーコロッケ(志木市)、所沢焼だんご(所沢市)、飯能すいーとん(飯能市)、にんじんうどん(新座市)、 高麗鍋(日高市)、のらぼう菜うどん(小川町)、すったて(川島町)、あずきすくい(東秩父市)、つみっこ(本庄市)、雪くま(熊谷市)、煮ぼうとう(深谷市)……とかだね」
「あれ、24個、ないじゃない」
「うーんとね、東松山やきとり丼(東松山市)、太麺やきそば(川越市)、なまずのたたき(吉川市)、ゼリーフライ(行田市)、こうのす川幅うどん(鴻巣市)、キューポラ定食(川口市)、このへんは、ウチのサイト、デイリーポータルZで、既に取材してるねえ…」
「どんだけ埼玉好きなんだよ!」
「埼玉、好きみたいだねえ…」

そう、当サイトは、埼玉県がらみの書き手が多いせいか、「ディスカバー埼玉」と題して、細々と、埼玉取材記事を掲載してきているのだ…。

ぼやー、っと考え込んでいると、「ナニナニが売り切れました!」「ナニナニが売り切れました!」というアナウンスが続く中、「ではショータイムです。ゆる玉応援団の登場です!」というインフォメーションが。
ゆる玉応援団…!?
爆音で「ゆるキャラ音頭」(みうらじゅん作、歌:橋幸夫)が、かかりはじめた。
ゆるキャラ、ゆるキャラ、ほほいのほい…。

ん、ムラサキ色の、あいつは…!? >
 

 
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