憧れの巻取り鍵を、いま
この状況を喜ぶべき、というのには訳がありまして。実をいうと、私は今は大好きなものの子どもの頃コンビーフがあまり得意でなかった。
母の手伝いで、兄弟が手伝いでクルクルと缶を開けているのを「今日の晩ご飯はコンビーフかあ」という目で見ていたのを覚えている(実家では私が小学生くらいの頃までよくコンビーフのメニューが出た。どっかからもらっていたのかも)。
わたしも、あの缶を開けたかった。でも、コンビーフが出るのは困るから、缶を開けるのは嫌だ。
そうして、巻取り鍵で缶詰を開けるという行為を体験することなく、大人になったのだった。
子どもの頃の私に伝えたい。コンビーフじゃなくても巻取り鍵で開けられる缶詰があるよと。ただ、東京で買うとチューリップのランチョンミートは少々高いのでそれが伝わったところで親には買ってもらえまい。
このたび、チューリップ社のランチョンミートを購入して多分生まれて初めて巻き取り鍵で缶詰を開けることとなった。 |