毒完成、そして悔い改め
こうして心を込めて(魔術なので)作った毒はビンの中でパチパチと破裂音をさせながら完成した。
どのくらいの毒なのだろう。分からない。飲んだら死ぬどころではなく、多くの最悪をもたらし、埼玉県南部を壊滅に至らしめるくらいの効力は持っていそうな気がしてきた。
…いや、その効力を持っている。
僕はふざけ半分でこのような禍々しいものを作り出してしまった愚かな自分を恥じた。
そして決心したのである。
薬も作ろう――と。
頭がよくなる草
薬といえば、今の薬とは違う形で、薬草なんてものがあった。草はたくさん生えているが、現代人には皆同じように見え、薬草を見分けるのは難しい。
が、ちょっと頭を働かせれば簡単に見つかるものもある。
アタマヨクナリ草をゲット。
アタマヨクナリ草は名前の通り、頭がよくなる草でそれが生えているところに塾や予備校ができるという伝説がある。
病気が治る草
さきほどのアタマヨクナリ草は、ちょっとドーピング的な薬草だったが、こちらのカラダナオリ草は正真正銘の薬草である。
なぜなら病院に生えているので。
ご覧のように、病院の周囲を取り囲むように草が植えられているのがわかると思う。これがカラダナオリ草である。
病院でもらう粉末状の薬は全てこのカラダナオリ草から作られている。特に今咲いているこの白い花がすごく効く。
咲いている花からとるのは泥棒なので、落ちているのから少々いただくことにした。
このカラダナオリ草、綺麗な白色をしているのだが、とてもよく似た赤い花がある。これはカラダナオリモドキと呼ばれる毒草なので気を付けて欲しい。
間違って口に入れると、しゃべれなくなってしまう。ぼくも小さい頃誤って口に含んでしまったことがあるのでよくわかる。