「いずれアヤメかカキツバタ」という慣用句がある。 もともとの出典は太平記で、源頼政が美女二人の中から「菖蒲前(あやめのまえ)」を選ぶが、どちらも美しくて選ぶことができないといった内容の話であるらしい(読んだことはないので受け売りだけど)。 それが転じて「どちらか区別かつきにくいもの」という意味でも使われるようになったということだ。 で、アヤメやカキツバタの見頃を迎えるこの時期に、見比べ方をしっかりと把握しておこうと思うのだ。
(工藤 考浩)
堀切菖蒲園
まずはアヤメとカキツバタの実物を見ようとやって来たのは東京葛飾区にある堀切菖蒲園だ。 ここは花菖蒲で有名な公園で、アヤメやカキツバタも植えられているらしい。
さっそく見分け方
園内には大きな木製の「ハナショウブ・アヤメ・カキツバタの違い」と書かれた看板が立っていた。 さすが菖蒲園である。 解説を読んでみると、花びらの斑紋で見分けることができるらしい。
でも、咲いていない
ふむふむなるほどね、と看板の文字を読んだのだが、読みながらも心ここにあらずという感じだった。 なぜなら、菖蒲園に、ハナショウブもカキツバタもアヤメも咲いていないのであるからだ。
アヤメは少し咲いていた
本当はこの公園で見極め方をマスターして、つぎに違う紛らわしい物を見極める企画に進もうと思っていたのだが、それは無理なようだ。 とりあえず、アヤメは少し咲いていたので、その写真を撮るだけ撮っておこう。 でもこの企画、止めにすることになるかもなあ。
カキツバタを探せ
アヤメやカキツバタの見頃には少し早いかなとは思っていたが、記事の掲載がちょうど見頃の少し前くらいになるとちょうどいいなと思い、取材を始めたのだが、やはり早すぎたようだ。 観光の雑誌やテレビなんかはこういう場合どうやって取材しているんだろう。 ちゃんと段取りをしてから取材を始めるんだろうな、と思いながら、都内あちこちをまわってカキツバタを探した。