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ロマンの木曜日
 
本気の!女子高生芸人イベント


 

たとえテレビを見なくても、周りの話題や会話などに自然と溶け込んでいる「お笑い」。海外諸国でのお笑いやコメディの普及率がどのくらいかは分かりませんが、日本ほど「お笑い」というジャンルが好きな国はないような気もします。幕張メッセクラスのホールででお笑いイベントやってる国て他にあるのかな?

それだけに「お笑い芸人になりたい」という高校生も決して少なくない。アイドルやアーティストになりたい、という夢と大差ない程度には。しかもその中には、ただぼんやり目指すだけでなく自らイベントを打ってる子がいる。お笑いの本場・大阪で女子高生による芸人イベントが定期的に開催されてると聞いて行ってきました。いや〜、オーサカスクールガールは真っ直ぐかつギラギラしてましたよ。

大坪ケムタ



前説はちょっとヒヤヒヤ

ふつう芸人というと「吉本興業」や「松竹芸能」といった事務所に所属しているイメージが強いでしょうが、それ以外に「インディーズ芸人」というジャンルがある。事務所に所属しないフリーの芸人、というと聞こえはいいけど、事務所に「入らない」芸人もいれば「入れない」芸人も。そして本格的なプロを目指す「芸人志望」も少なくない。

そんな「プロ志望」のインディーズ芸人である大阪の女子高生たちによる定期イベントが『女子高生芸人お笑いライブ ジャムくれよ』。妙なタイトルの秘密はのちほど。毎月女の子たち自ら出演はもちろん運営から宣伝・告知まで行ってます。それも学校での部活動とかいうレベルではなく…。


会場はちょっぴり大人の街・千日前。
そこに味園という総合エンターテイメントビルがありまして。

その中のバーが集まった薄暗い一角の先に…。


こんな看板が。


会場はほぼ毎日濃いトークライブを開催しているイベントスペース「ライブシアター白鯨」。以前「人はどれだけ急にウソをつけるのか」「関西『超』庶民派スーパー事情」などにも出演していただいたぶっちょカシワギさんが経営しているお店で、もともとイベントの存在も彼から聞いたのでした。

開場15分前にお店に入ると、ワタワタしながらも練習に励む彼女たちの姿が。イベント自体8回目とあって、はしゃいだり和んだりという空気ではない。「女子高生でお笑い」というと「文化祭的なもんじゃねえの?」と思われるかもしれなませんが、家族や友人を呼んで賑わってるだけ、という雰囲気とは別物。


ただの後ろ姿に見えますが練習してます。いわゆるネタ合わせ中。


集中できるように各自壁側を向きながら練習。


本日イベントに出演する女子高生芸人は「青虫マーチ」「岡西のぞみ」「OLive」「I.S(仮名)」の4組。普段はもっと多くて7組くらい出る日もあるらしいのだけど「テスト前につき」今回は若干少なめなのだとか。その理由がいかにも高校生だなあ。

開場時間になるとぼちぼちお客さんが入ってきた。直前までチラシ配ったりしてる効果か、普段からお店に来てるお客さんから女子高生まで幅広い層がぞろぞろと。ちなみに入場料は実質1ドリンク代だけ。決して儲けのためのイベントでもないし、まだ儲かる段階ではない。


受付ももちろん自分たちで。


開場時間になり、オープニングの前に「前説」がスタート。今回担当したのは「青虫マーチ」の南さん。「前説はじめてなんですよー」とはいえ、肝心の注意事項説明もなかなかにグダグダな…大丈夫か?愛嬌で何とかフォローしてるけど。しかし「前説あと何分?」と聞いても、店長にして先輩芸人であるカシワギさんもすぐには壇上から降りさせない。そのアワアワぶりをお聞きください。


無理矢理にでも面白エピソードを披露しなきゃいけない、って状況はまるで圧迫面接のようだ。「あかんあかん!前説ってこんなしんどいんや!」とこぼしつつも、妹の話やおやつの話などを振りまきつつなんとか5分の間場を持たせました。いわゆるTVに出る芸人に比べて、出てくる話題のチョイスがどこか新鮮です。


観客・演者・ゲストが見る前だけに前説も立派なパフォーマンス。


「ひゃ〜、汗かいてきた!」それでも前説は終えられない…。


何とか5分近く話して前説終了。いわゆる「ネタ」とフリートーク的なものは違うとはいえ、提示するハードルは高い。店長もその辺甘えさせません。笑いに厳しいぜ大阪。

その後、この日の出演芸人揃ってのオープニングトーク。全員が最近起きたことをテーマに発表。出てくる話題は「文化祭の演劇の話」「授業中タイマンが始まった話」「シモネタ禁止の学校の話」「挙動不審の母親の話」「香水くさい先生の話」などなど。


挙手&トーク!面白さも大事なら積極性も大事。


話は聞きつつも的確に気になる所は広げます。


いずれもテーマが「学校」と「家族」だったりするのもまた新鮮。話だけ取れば「普通の女子高生の話」なんだろうけど、それをエピソードだてて話す姿が「女子高生の話」ではなく「芸人の話」らしい。メインの子が話してる時、周りもヘンに話に入り込んでこないし。

さらにこの日はゲストにプロの芸人や放送作家らが審査員として参加。彼女たちのネタを見た後でアドバイスをしてくれることに。まず彼女たちが普段どおりのネタをやって、その後審査員たちのアドバイスを元にした改善版ネタをやるという形で進行されることになりました。


ただのアンちゃんらじゃありません。プロの視点担当。


普段は各自のネタ+大喜利等でイベントを構成してるそうですが、こういう形式ははじめてだそう。公開審査だけに緊張も走る彼女たち…。そんな彼女たちのネタはCMのあと、ではなく次ページで!


オープニングの次はネタコーナーです!記事の構成的にも。

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