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ロマンの木曜日
 
本気の!女子高生芸人イベント

無茶を受け止める女子高生たち

3組目はピン芸人の岡西のぞみ。このイベントには8回全て出演していて、オープニングなどのグループトークでも司会担当。ちなみに以前組んでいた相方は8回コンビを解消したんだとか…。学生の期間だけで8回って。


ネタは「くの一教習所」。月刊くの一6月号音読中。


バルーンアートもネタ中に導入。しかし悲劇が…。


ちなみに最後のオチで××の代わりに彼女が手にしてるのは三角定規です。さて岡西さんのネタは「くのいちという設定は分かりやすくていい」と評されたものの、ちゃんとしたアドバイスとしては「ボケとボケの繋ぎが分かりづらい」「自己紹介でもうちょっとボケれるはず」「バルーン作る時も言葉を」、本当に使えるのかわからない助言として「バルーンで『教師びんびん物語』の早野凡平師匠をオマージュ」など…って10代どころか20代でもわかんないよソレ。


指導の流れで帽子代わりの紙袋被ったり。


正直、後半になるにつれどんどん審査員の悪ノリが激しくなっている感が…。そんな指導に戸惑いつつも健気に応える岡西さんの再演版の一部がこちら。


もはや先輩芸人のオモチャか?てくらいにいろいろ言わされながらも、それを正面から受け止めつつ自らのセンスも折り込んでるのがハートの強さを感じます。

そしてトリを飾るのが「青虫マーチ」。組んだのが先月という新人コンビ。とはいえいずれもピンとしての出演経験はアリ。そのネタの方向性はひとことで言えばシュール。この日のコント「わけわからん外国人」では怪しい外国人に始まり相撲インタビュー、そして最後は歌で終わる怒濤の展開は非常に説明しづらい!


そして気持ちいいまでのデブ押し!

元々のネタがシュールなだけに指導もどんどん逸脱し…。


審査員からは「ツッコミかと思うとボケるし多彩やなあ」「最後歌で終わるのはシュールでいい。野生爆弾ぽい」など全体の醸し出す雰囲気は評価受けつつも、「日本語がわからんとか相撲インタビューが引っ張りすぎ」など構成の面で注意しつつ「外国人の設定が中途半端」などキャラづけの甘さも指摘。わけわからんインパクトはあるんですけどね。

ただシュールネタって補正するのも難しいようで、審査員たちのアドバイスもよくわからん方向に…。


序盤の漫才のくだりは一切なくなり…。


最後、観客の手拍子と共に終わる大団円?的なエンディングに。構成はもはやわけわかりませんが、一体感はあったので良しでしょう!グルーヴっていうか。違う気もするけども。

本来はこの後大喜利もある予定だったそうですが、大幅に時間を超過したのでイベントはそのままエンディングに。総評にあった「16〜18歳で芸人になりたいって子らがこの先どんな大人になるか楽しみ」というのに初めて見た自分としても同意だし、続けて見たくなるイベントでした。この時期の成長はすごいよ、きっと。


審査員の総評を聞いてエンディングに。

終了後、お客さんのアンケートを熱読中。


終了後のインタビューでの最後に、彼女たちの「これからの目標」を聞いてみた。

 

南「とりあえず道頓堀飛び込んどく?」

ひでみ「今でも出来るやん(笑)」

やすだ「mixiのコミュニティ作ってほしいです」

一同「あ〜(うなづく)」

岡西「自分で作るのはねえ(笑)」

−−ファンがつく、てのは身近な目標だよね。

南「出待ちとかされたいな〜。バレンタインで逆チョコもらったり」

ひでみ「あとは…お金が欲しいです(笑)」

ゆめ「お金が取れるレベルの芸人になりたいってのはありますねえ」

南「たとえば入場料2000円のチケットで『安い』って言われる芸人になりたいですね」

−−2000円ってのがリアルだなあ。

やすだ「テレビにも出たいです」

ひでみ「それと大阪で売れたいです。大阪で愛されて、東京で見たい見たいって言われて上京出来るような」

 

「××(有名人)に会いたい」とかのレベルではなく、「ファン」や「お金」というリアルな物が出てくるのが彼女たちの意識を感じさせる。カネというと生々しいようだけど、お笑いというのは事務所に入ってる芸人ですら固定給ナシの1ステージ数百円というのが当たり前の世界。大阪という芸人が近い世界ならではのファンタジーなき夢。一人前になりたい、というのを細かく言い換えれば「カネが取れる芸人になりたい」なのだから。

さて最後に先のページの「女子高生っぽい」写真に続いて「芸人っぽい写真」をお願いしたらこんなポーズを取られた。


なぜほとんどが中指立てるんだ!彼女らの世界進出のことを思ってモザイク処理。


女子高生の持つ芸人イメージはパンクなのか?それも正解なら、ひとり突っ込んでるのもある意味正解!

イベントもインタビューも終了し、先に帰る子に「デート?デート?」と囃したて、「サイゼリア行くー?」と話し合ってた彼女たち。その姿は、この日一番女子高生らしかった。そう思うくらい、イベント中の彼女たちは駆け出しながらも「芸人」してました。

見る側として思ったのは、まだプロではないけれど女子高生という期間ならではの華やギラツキ、熱さがそこにはある。そしてプロになると見れなくなるものもステージにあるように思えた。なんてのは「女子高生」というキーワードに脳揺らされる男の錯覚だろうか。ともかくこの旬な感じはぜひライブで見てほしい!


ありがとうございましたー。また来月!

会場はこちらを目印に。

毎月大阪でやってます

ちなみに「ジャムくれよ」というイベントタイトルは、あるイベントの大喜利で出た「女子高生を意味する『JK』は何の意味?」というお題に対する答えだそうです。

同イベントは毎月第4土曜日14時になんば白鯨で開催中です(ただし次回6月26日は19時から開演につき注意)。ぜひ一度ご覧あれ!


協力:

ジャムくれよ

ライブシアターなんば白鯨

深夜喫茶銭ゲバ


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