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ひらめきの月曜日
 
おもしろ消しゴムの工場見学は気前がよすぎる

大人気の工場見学

この日は土曜日ということで、我々のほかに多くの小学生が工場見学に訪れていた。イワコーさんでは子供たちにモノづくりの楽しさや素晴らしさを伝えるため、社会科見学の場として積極的に開放しているという。企業として素晴らしい姿勢だと思う。


左が社長の岩沢善和さん。右は工場の責任者であり工場見学のガイド役も務める渡辺信さん

工場見学を前に社長の岩沢善和さんによるレクチャーが行われた。「工場はおもしろいんだけど、おじさんの話はおもしろくないからね」なんて前置きをしつつ話し始める社長。

ところが、巧みな話術で一気に聴衆を引き付ける社長

社長によれば、おもしろ消しゴムをはじめて作ったのは昭和63年。それまではペンケースや鉛筆のキャップなどを作っていたそうだ。

かねてからなぜ消しゴムは四角なんだろうと考えていた社長。使えばどうせ丸くなる。なら最初から丸くたっていいじゃないか的発想で作ったのが、にんじん、大根、かぼちゃなどの野菜シリーズだったとか。


そこから始まり今やこのバリエーション

発売3年目くらいから軌道にのり、今や1日15万個、年間5000万個を製造。アメリカをはじめ、海外への輸出も行う一大事業に成長したのだ。

そこまでには、平成7年のおもしろ消しゴムブーム。ブームに乗じた競合他社の台頭。ブームが去った後のピンチを乗り越えた起死回生の秘策など、それはもうカンブリア宮殿を彷彿とさせる紆余曲折があったそうだ。


経営者にとってもためになりそうな社長のレクチャー

しかし今回はカンブリア宮殿ではないので、社長のお話の中で僕が個人的に面白いと思ったポイントを紹介しよう。

●おもしろ消しゴムを成型するための金型をひとつ作るのに500万円くらいかかる
●新作の動物園シリーズは6個の金型で2500万円かかった
●新製品を作ってもすぐ中国にパクられてしまう
●鳩サブレーの会社から依頼されて「鳩サブレー消しゴム」を作ったことがある
●それは鎌倉の本店で810(ハト)円で売られている。
●工場見学は大人気で年間1万人以上が訪れる
。倍率はなんと3倍

新製品がすぐに中国に模倣されてしまうのが悩みといいつつ、大らかな社長は「まあしょうがないか」と許してしまうのだとか。


お話の後は、おもしろ消しゴムの組立体験もある

このように複数のパーツを組み立ててつくる

こちらはパンダのおもしろ消しゴムでした

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