蛇とは時として棒である。
一向に見つからないが笛を吹きながら歩くのは意外と疲れる。スタミナ付けるため!と言って運動をしても鼻呼吸しかしない鼻息荒い友人がいたが笛吹き続けるのも良いよ!と教えてやろう。
と、どうでも良いことしか思えないほど蛇は見あたらない。
なんたって、この枝を見つけて蛇っぽいぞ!と喜ぶ位には追い詰められている。これ、笛吹いた方が蛇見つからないんじゃ無いだろうか。
山の猫超怖い
もう今日は何も見つかんないわ。と、半ば諦めていた時、道の先に動く陰が見えた。
お、猫。山に猫っているんだな。山猫だ。とか思いつつ、逃げる前に写真を撮っておこうと構えてシャッターを切ろうとした時、心臓が縮こまった。猫の目が、光った!
目が光ったのはカメラのピントを合わせるための補助光が反射した為だとすぐに気付いたが、光った瞬間はヒッと息を吸い込んで体がこわばり、心臓が止まるかと思った。化け猫の類だと真剣に考えた。
いやー、怖かった。驚かすなよ。と近づいて、笛を吹いたらグルルルルーと威嚇された。もうやだ。
蛇は来ない
そうやって苦難に負け続けながらも最終目的地の滝に到着した。
これで最後だと最後の力を振り絞って笛を吹く。これ、滝の音にかき消されて聞こえないんじゃ無いかしら。
しかも調整しているから普通に見えるが、実際はかなり暗い。こんな中笛吹いてるが、実は蛇来てたんじゃ無いだろうか。暗くて気付かなかっただけで、来てたんだよ。そう言ってよ。
夜に笛を吹いても、蛇は来ない。やっぱりこれはたとえ話で実際に来るわけじゃなかった。でも、夜に笛を吹いても良いことがあんまり無いので笛を吹くならば昼間に友人とかと吹くのが良いんじゃ無いかと思うよ。あと、リップクリームまだ塗ってるけど口笛は吹けません。