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ちしきの金曜日
 
シルバー・スイーツを食べる


 

おふくろが目を付けるものが、ことごとく私と違う。

味覚は年齢によって変わるから、大人と子供では好きなもの・キライなものに差があることは知っている。が、同じような嗜好の違いを、私とおふくろ世代との間にも感じるのだ。

今回はそういった、おふくろが目を付け絶賛した
“シルバースイーツ”に着目したいと思う。

ちなみにシルバースイーツという言葉は、私が今思いつきでつけたネーミングで、“年寄りが好きな甘いもの”の意です。

T・斎藤



おふくろが注目してなかったら絶対私が自らチョイスすることはなかったであろうお菓子。
どこまで甘くすれば気が済むんだ?と思うほど、見てるだけでギラギラと甘い。

 

初めて串カツを食べた時の衝撃

味覚は年と共に変わる。

私は串カツが好きなのだが、小学生の頃、初めて串カツを食べた時には相当なショックを受けた。

何も知らずに「わ〜、カツだ〜」と言ってかじりついたところ、肉の間にタマネギが、それも衣に隠すようなカタチで仕込まれているではないか!
「これは一体なんの嫌がらせだ?!」
と泣きそうになったのを覚えている。
(当時はまだタマネギは我慢して食べればなんとかOKくらいだった。)

それが大人になった今では、肉ばかりよりタマネギが挟まってる方がおいしいと感じるようになったのだから不思議なものだ。それどころか、タマネギの間に肉が少し挟まってるくらいでもいいと思うようにすらなっている。

大阪の串カツ、いわゆるソース2度づけ厳禁のやつではない方の串カツを言ってます。)


串カツ。子供の頃と現在で180度評価の異なる食べ物。

味覚の変化は、その後も年をとって行くにつれ変わっていくものらしい。「らしい」というのはまだ自分がその年になってないのでボカして言ってるが、なぜそう思うかというと、おふくろ(現在72歳)が買うものが、どう見ても私のチョイスと違うからだ。

たとえば、かす巻きだ。

 

シルバースイーツ・その1: かす巻き

あなたが最後にかす巻きを食べたのはいつだろうか?
私は思い出せなかった。それくらいずっと食べてなかったし、存在自体忘れかけていた。


どーん。

そもそも「かす巻き」ってなんだ?

カステラの真ん中にあんこが入ってる。
これはどういう意味?
普通のカステラだって充分甘いと思うのに、それじゃ足りないってことなんだろうか?

さらに、全体にざらめ糖がまぶしてある。
どうしてここまで過剰に甘くするのか。まるでわからない。
私的にはかなり「勘弁してくれ」って感じの食べ物である。

が、このかす巻きを、おふくろは長崎に来た時のおみやげとして、大量に10本くらい買っていたのだ。これには驚かされた。買い物センスが違い過ぎる!


おふくろが絶賛していた「525円のやつ」。

しかも、次に長崎に来た時もまたかす巻きを買ったのだ。
意外とこれ重いのよ。前回は持って帰るのが大変だったから、今回は郵送するわ。
と言って、再び大量に買っていた。

しかしそういうおふくろを見てると、だんだん気持ちが揺らぎはじめる。長い行列ができてるのを見ると気になるのと同じように、ひょっとしてコレおいしいのかな?久しく食べてなかったけどどうなんだろう?という気持ちが湧いてくるのだ。

というわけで、買ってみた。


大きさ比較。iPhoneとかす巻きが並んでて「どっちか好きな方持って行っていい」
という状況でも、おふくろはかす巻きの方を選ぶと思う。(iPadでもしかり)

甘さの三重構造。こりゃ甘いよなぁ。

どんだけ甘いんだろう、と思いながら食べてみると…


もぐもぐ…

あれっ、うまい!

なんだ、うまいじゃないか!

細かい味の表現はあまり得意ではないけど、
甘さの中にもちゃんと餡部の小豆をカステラ部の卵で包んでいるのがわかるというか…。

うまいよコレ。
そして熱いお茶と絶妙に合う。

今までなんでおふくろはこんなもん買うんだろう、と思っていたけど、食べてみたら意外にも美味しいという新たな発見があった。極端に甘そうなヴェールをまとって若者の目から逃れていたって感じだ。


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