なんとコレ、中が空洞になっており何も入ってないという
“からくり饅頭”なのだ。
おやじはこれを見ると
「中が空っぽだよ。あっはっはー。」
と大喜びするのだが、もう何度も食べたことあって知ってるはずなのに、何度食べても
「中が空っぽだよ。あっはっはー。」
と、初めて食べたみたいなことを言うのだ。
それはまるで、寅さん(男はつらいよ)が毎回同じパターンで次にどうなるか分かりきってるはずなのに、毎回同じように笑うのと似ていた。
寅さんは映画館で見るのが面白かった。客層が年輩の人ばかりで、みんな次の展開がわかってるから笑える場面が近づくとククッククッと笑いを堪える声が漏れてきて、いざその場面が来るとみんなガハハハーッと開放されたように笑っていた。それがおかしくて、つられてつい笑ってしまうのだ。 |