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ロマンの木曜日
 
大物監督にコケる芸を習う

夜も特訓した。このまま甲子園に出れそうだ。

宣伝の方と事前に打ち合わせ。「コマネチの角度を計る」企画が追加された。

いよいよ取材当日

さあ当日。緊張で眠れなかった、ときっちり七時間寝た顔で宣伝担当の方に相談した。

「じゃあインタビュー初めてですって言っちゃってください。監督は相手の目をじっと見て話すので、あがっちゃって大変なことになる方もいます。」

うん、言おう。言います。今、すっごい素直になってます。

「マネージャーの方からコマネチは角度が重要って聞いたんですが、コマネチの角度を計るのはどうでしょうか?」林さんが急遽企画を追加する。「うん、それいいと思います」と宣伝の方。

全てこの二人のせいじゃないか、悪意が頭をよぎる瞬間だ。


「今日は監督の調子いいみたいですよ」ウソだ、そういうの全部信じない!

作戦を立てる

取材時間は30分。映画のインタビューも同時に行われるので、まずそちらのまじめなインタビュー10分、そして私たちのインタビュー(してるフリでも)の5分、そのあとにズッコケ教えて!をねじ込むのだ。

何聞く?大丈夫?と林さんが心配して聞く。

そういえば、映画のインタビューなどやったことがないし、そもそも考えてみればインタビューなんて数えるほどしかやったことがない。

私が過去に行ったインタビューといえば、大阪のおもしろ自転車おじさんと北海道のシャーマンおばさんくらいなものだろうか。


シリーズ「わたしのインタビュー」第一回は大阪の自転車工場の阪上さん
第二回は北海道のシャーマン、シャーマン麗子さん

インタビュー三人目は北野武監督。そのインタビュアーが何でおれなんだ!

 

大物も大物だった

大物監督と言ってきたその人は北野武監督。知らない人のために説明すると現在日本で一番有名なテレビタレントであり映画監督だ。

しかし、一体どこに知らない人がいるというのか。イタリア人でさえ「風雲!たけし城」を見て笑っているのだ。

大物監督って言っておいてさ、途中で「知らないだろうけど北野武監督っていう人で」って紹介したらおもしろくない?と林さんと笑っていたのだが、やってみたらムリだった。

何かおかしな日本語に見えてくるのだ。大物すぎて、文章の日本語がおかしいんじゃないか?とさえ見えてくるのだ。


もうちょっとマイク芸練習しておくか

なんでヒンドゥー教徒みたいになってしまったのだろう

右側は映画の準備(インタビュー打ち合わせ)
左側は私たちの準備(段差とマイクのセッティング)
最新の電子機器でコマネチの角度を計る

待つ
そして緊張がピークに達するとよくわからない動きをする

北野武監督がやってきた

周囲がざわついて空気が変わったと思った瞬間に、北野監督はやってきた。よくテレビで見ている、それも物心ついたときから何十年のあの人だ。正直、大物も大物すぎると、感動もよくわからなくなった。

いるよなー、あそこにいるよなー、あ、森社長もいるなー、とぼけーっと思っていたが思い出した。それどころではなく緊張だ、緊張がピークなのだ。


うわー、あそこにたけしいるよなー、という思いを禁じ得ない

ついにやってきた、ここ数日のガチガチはこの時のため

さあ何を聞く?

さて一体どうやってズッコケを教えてもらうか?

今日一日インタビューが詰まってる監督は同じことを聞かれて飽き飽きしてることだろう。そうやって考えて出た結論がこれだ。

・あまり聞かれない質問で新鮮味を
・質問にホメを盛り込んで好印象を
・好印象を与えたまま一気にズッコケへ

映画の取材は10分できっちり終わった。「映画を発想するに至ったきっかけは?」「悪いやつしか出てこないのはなぜ?」「社会状況を反映する一面もあるのでは?」他、全部プロの仕事!

そしてこの後私の用意した質問は「カッコイイんですけどどうやって撮るんすか?」のアマ仕事だ。


この後、二人は死ぬ

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