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ロマンの木曜日
 
大物監督にコケる芸を習う

神風吹いた!

「段差の前で、自分の足にひっかけるっていうパターンね」

うわー!うわー!うわー!

教えてもらった

すごい。ズッコケ芸は生で見るとものすごいおもしろい。いや、今の今まで権威だった人がズコッとやってるんだからこれほどおもしろいこともないだろう。『監督・ばんざい!』の江守徹と同じことが起こっている。

会場もこの日はじめてドワワと笑いに包まれる。「くだらねーな!」と自身も笑顔でいる監督。

そして驚いたことに、自身の映画と同じように、同じことをやらない人だった。つまづく、踏み外す、じゃあおれは…と自分の足に引っ掛けるパターンを教えてもらった。


こうですか?と水をむけた林に、こう、こう、と続けて

「一旦ひっかけておいてから」

「また踏み外すっていうパターン」

二つギミックがあるのにズッコケのその自然さといったら!

「糸電話に対抗してちょっと考えたんだけどさ」えっ!糸電話!?

「ウンコで手紙を書いてハエたからせてそのまま飛ばしたら文字になると思うんだ」巨匠(フランスからコマンドゥール受勲)のありがたいお話

「くだらない」スイッチが入った

北野監督が言った糸電話とは、私たちのWebサイトの記事『糸電話で市外通話』のことだった。次のインタビューはこういうサイトです、と話を聞いていて、興味を持ってくれていたのだ。

「昔セブ島に行ったらハエがいっぱいいてさ、そこでハエ通信っていうのを考えたのよ。

ウンコで手紙書いて、ハエたからせて、パン!って手を打ったら、ハエが字ごと飛んでいくっていう。『元気ですか』とか書いてるからそれ見て、ああ…、って思う。」

すごい。ぽんと出してくるのが、キレキレの企画である。当サイトでも『ハトでハトと書く』という記事があるが、その先のアイデアだろう。

いける…もう一個の方もこれはいけるんじゃないか。


ゴッ。こういうのなんですけど…
来たーっ!!

本物はけっこう上の方にあてるのか!

マイク芸も!

ああ、それね、北野監督がスッと立って「これ音が出るとおもしろいのね」とポコンとやってくれた。

コツンと当てる感じであまり痛そうでない。音さえ出ればいい、くらいのやさしい当て方でいいようだ。手本があると大変勉強になる。

そしてその後がすごい。「これ直すときにさ、こうやってこうやって、アイタ!って」「ひっかけたらこうなる形にしてここで喋ったりとか」マイク芸を連発!


マイクを調整しつつ、顔に当てるパターンと、驚くヒンドゥー教徒
調整しながらへんなとこに持ってっちゃって喋るパターン

背が低い人にはやたら高くするパターン。一聴者となって楽しむ二人。

スピードがものすごい

これもある、あ、これもある、と次から次へとマイク芸を教えてくれる北野監督。一つ一つのギャグの切れ味もさることながら、繰り出すそのスピードがすごい。

常人の2、3倍は早かった。考えてみればツービートの漫才も『座頭市』の殺陣もそれまでにないスピードだった。

え?この速度で生きてんの?と素直に思ってしまった。そりゃ普通の人より2倍も3倍も濃い人生になりますわ。


「あの段差持ってきたの?」「はい、ホテルの人に裏から入れって言われて来ました」

部屋が軽い

もうこの部屋も完全に暖まった。さっきまでの圧がうそのようだ。

「なんでも赤じゅうたんっていうのはどうかな。なんでも赤じゅうたん持ってって、とにかくくだらないところなんかで赤じゅうたん敷いちゃうの。公衆便所とか。

それでみんなの『…いいのかな?』っていう顔を見る。」

うわー、またおもしろいのいただいた。赤じゅうたんといえば、これまた当サイトでも『VIP気分を味わってみる』という記事があるが、またまたその先だ。北野監督から出てくるアイデアの方がコメディに特化している。

だが、親和性を感じる。この人とこのサイトはそんなに遠い所にあるわけではないのだと思った。ああ、この流れはもうコマネチいってもらおう。


この調子で、コマネチもやってくれるんじゃないか!?

「正調コマネチ」の手の角度は36°(水平を0°として)
顔の角度は45°

 

コマネチの手の角度は36°

まさかまさかのコマネチまで。今までの心配は一体なんだったんだろうかというほど、ミッション完全達成である。

しかし嬉しがってばかりもいられない。今度は教えてもらったズッコケ芸、マイク芸、コマネチまで私たちが実地でやっていかないといけないからだ。

せっかく教えていただいたのである。しつこくしつこく啓蒙活動に取り組んでいくことにする。


プレスにサインしてもらったものをプレゼントに頂きました
抽選で3名様にプレゼント。
ご応募はこちら(2010年6月18日18時しめきり)※終了しました

くだらないの大先輩の姿が

インタビューは時間を5分残して終わった。「他に何か聞きたいことがあったらまだお時間ありますが…」とスタッフの方に気を利かせていただいたが、もう何もなかった。

読者プレゼントにサインをもらって、さあ退室、となったところで「いいね、くだらないの。がんばってね。」とうれしすぎる言葉までもらった。

「そういえばさ、日本でバンバンゴミ埋め立てしてるじゃない。あれでバンバンゴミ入れて千島列島まで行くのどうかなあ。」この人、くだらないのほんとに好きなんだなあ、と感激してしまった。

北野監督すいません、結局あんまり宣伝してなかったのであれなんですが、映画めちゃくちゃおもしろかったです。

6.12公開・北野武監督最新作『アウトレイジ』(公式サイト)

「いいね、くだらないの。がんばってね。」
一番最後のこの一言が泣けるほどうれしかった

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