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ちしきの金曜日
 
岸壁にでっかい塩の山


みなさん、海っぱたにしばしばでっかい塩の山があるのをご存じだろうか。すごくすてきな塩の山。

ふつう知らないよねえ。でもあるんですよ、そういうものが。今回はそのほれぼれしちゃう純白の山をご紹介しよう。舞台は鹿島だ。

大山 顕



驚いたことに観賞用ではない

まずとにかく、そのすてきな塩の山をごらんいただきたい。これだ!どーん!


ゲレンデではない。ユーミンとか流れてない。

ちょっと引くとこんな。繰り返すが、上のトラス構造物はリフトではない。広瀬香美とか流れてない。
塩なのでいくら恋してもとけない。いや、これがとけるぐらいの恋がしてみたい。

いかがだろうか。すてきだよねえ。これ、塩なんですよ。反対側から見ると、こんな。


植え込みがじゃまだ。もっと塩をみせてほしい(画像クリックでより大きな画像をごらんいただけます)

夜見ると、こんな。


夜、対岸から。このときは塩が少ない。減塩だ。背後のプラントの灯りがすてきすぎる。
(画像クリックでより大きな画像をごらんいただけます)

いやはや、美しい。美しいけど、おどろいたことにこれは観賞用ではなくて、工業用に積んである姿。いやいや、ちょっとは観賞用意識してるんじゃないの?って思っちゃう。ぼくだけですか、思っちゃうの。

この名峰があるのは、鹿島。そう、魅惑の鹿島工業地域だ。


大きな地図で見る

製鉄所や化学コンビナートが軒を連ねる名所、鹿島。くだんのサッカーチームは、そろそろチーム名を「鹿島コンビナーツ」にしたほうがいいと思う。

で、この塩の山はなんなのかというと、様々な工業製品に使われる原材料。ぼくも詳しくは存じ上げなかったのだが、塩ってじつにさまざまなものに使われる。

この塩を電気分解して、塩素や塩酸、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどがつくられ、これらを元に、ガラスや塩化樹脂、洗剤やアルミニウムなどなどがつくられる。そのほかにも強アルカリによる金属、パルプなどの洗浄、漂白など実にいろいろな用途に使われているそうだ。【詳しくは日本ソーダ工業会のサイトなどを見てみてください】

いやー、塩がこんなに大活躍とは知らなかった。上のサイトには「日本で消費される塩の内、実に8割近くが、ソーダ工業の原料として使用されています」とあるが、さもありなん、といったところだ。塩、すげえ。


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