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はっけんの水曜日
 
ほやで塩をつくる


これから塩をつくります。どちらかというと砂糖ができそうな見た目だけど。

ほや祭り(記事参照)に行くにあたって、ほやのことをいろいろと調べていたら、ほやに入っている海水を煮詰めてつくった「ほやじお」というものの存在を知った。ほや100%の塩だ。

これは岩手県の種市ふるさと物産館というところのオリジナル商品(伝統食品ではない)で、ぜひ一度なめてみたいと思ったのだが、人気がありすぎて現在は注文を受け付けていないようである。

ならば自分で作ってみるまでだ。

玉置 豊



天然のほやを買ってきた

種市ふるさと物産館のほやじおを忠実に再現するには、岩手の天然のほやを購入するのが一番なのだが、宮城のほや祭りで特大サイズの天然ほやが売っていたので、これでいいことにする。岩手も宮城も同じ三陸。


大きさがわかりにくいけれど、ソフトボールくらいでかい。こんなのが獲れる海に潜ってみたい。

ほやじおを作るためには、どのくらいの数が必要なのかがよくわからないのだが、とりあえず持ってきたクーラーボックスいっぱいとなる10個を購入。

 

ほやは水をたくさん蓄えている

ほやを買ってすぐに自宅に戻り、長距離の運転で疲れ切った体でほやを捌く。ほやは鮮度が命なのだ。


逆さに持って、マイナス側の突起に沿って縦に切る。

包丁を入れた途端にピューピューと溢れだす怪しい液体。ホヤウォーターとでも呼ぶべきか。

ほやは入水孔から海水を吸って、プランクトンなどを体内で濾して出水孔から出すのだが、新鮮なほやはこのとり込まれた海水でパンパンに膨らんでいるのだ。


ほやの水分を絞りとってやろうと野菜の水を切るやつを用意したが、そんな必要がないほど大量のホヤウォーター。

いつもほやを捌くときは(めったにそんな機会はないが)、シンクの上でやるので気がつかなかったが、その水量はかなりのもので、溜めてみると身よりぜんぜん多いことに気がつく。よくできた小籠包か。

そりゃ岩手の人も、これを煮詰めて塩を作りたくなるっていうものだ。

 

フンをとるの忘れた

ひとつふたつとさばいていき、予想以上にホヤウォーターが溜まっていくのに気を良くする。

みっつよっつとさばいていき、なんだかホヤウォーターの色が濁っているなと気付きだす。

いつつむっつとさばいていき、こりゃほやのフンの色だとようやく気がついた。


これは大きな失敗をしてしまったかな。

そういえばほやの出水孔側にはフンが溜まっていて、これは食べちゃだめなんだった。

このフンは水に大変溶けやすく、すでに溶けてしまっていて、すくえるような状態ではない。こりゃ二つの意味ですくえないってか。あーあ。

 

とりあえず飲んでみる

せっかくとりだしたホヤウォーターだが、これを煮詰めても望んでいる「ほやじお」ではなく、「ほやふんじお」にしかならないのではないだろうか。うまいのかそれは。

このまま煮詰めるのも不安なので、とりあえず少し飲んでみることにした。


マンゴージュースみたいに見えるかもしれないが、嗅いでみると一点の曇りもない磯臭さだ。

なんだか口に入れる前からほやの味がしてくるようなこの液体、飲んでみるとほや以上にほやの味がする。

ネクターみたいな喉越しなのだが、これを飲みながらパンチングマシーンを叩いたら確実に自己ベストがでるんじゃないかというビックインパクト。すぐ体を動かさずにはいられない味だ。


「ミネラルたっぷり、海の青汁、ホヤウォーター」というコピーで売ったらどうだろうか。

これはすごい。でも嫌いじゃない。

飲んでみたところ、それほどフンの味っていう感じでもないので、いやフンの味は知らないけど、このまま煮詰めることにした。


ほやの身は最高にうまかったのだが。写真にわさびがあるけれど合わないよ。真水で洗って、塩と醤油で味を付けたのがうまい。酢は入れない。

このタイミングで、一緒にほや祭りにいった山形の友人から、「ほやの水はプラスの突起を切って絞るといいよ。」というメールが届いた。ナイスアドバイスだが少し遅い。

携帯電話に一時間前の自分へメールを転送する機能がほしい。


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