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ちしきの金曜日
 
大人の低ガード下ツアー

やおら高さを計測しだした。自作の「ガード下計測器」で。すごい満面の笑みで。

みんな立派な社会人である

おおはしゃぎの参加者一同。みんな立派な社会人である。

それにしても、なんで低いところをくぐるとこんなに楽しいのか。いや、一般化はできないか。そんなのぼくらだけか。

しかし、よく「天井の高いのびのびした空間でこどもが健やかに育つ」といったような一文を見かけるが、低くてもいいんじゃないかと思う。

いや、よくないか。だからこういう大人に育ってしまうのか。

いやいや、でもたのしいよ、低いの。

 

かなりのタクシー交通量なので、見に行く方はご注意。いませんかね、見に行く人。

積年の復讐がなった瞬間

さて、今回めぐったガードは条件として自動車が通行できる、という点がある。歩行者しかくぐれない低い場所だったらほかにいくらでもある。茶室の入り口とか。

事実、この高輪橋架道橋、こんなに狭いのにひんぱんに車が通る。そしてそのほとんどがタクシーだ。きけば、その便利さゆえ運転のプロたちが好んで使う道なのだとか。

と、教えてくれたのはDPZライターの工藤さん。今回このツアーに参加していただいた。工藤さんは、東京の道路事情に関して詳しい。


ずっと身をかがめて、なんかすごくつらそうな体勢の方がいます。

工藤さんに参加していただいてうれしかった点は、かれのその知識にもあるが、なんといってもその身長だ。ライター勢の中でも屈指の長身を誇る工藤さん。

いっぽうぼくの背丈は165cm。小学生の頃から整列するときは前から2番目とかだった。自分がモテないのは身長が低いせいだからだと思っていた。

冒頭のアドバイスとともに、中学生の自分にいってやりたい。モテないのは背が低いからだとかそういうことじゃなくて、もっとなにか根本的なところに問題があるんだぞ、と。


いつもすらっと高みからぼくを見下ろす工藤さんも、この日ばかりは表情が冴えない。
低身長が高身長に対して優位に立った歴史的瞬間である。

なにがいいたいのかというと、要するに高身長の方々にいいようのないコンプレックスをぼくは持ち続けてきた。しかし、高輪橋架道橋のもとでは事情がちがう。ここでは低身長こそが覇者なのだ、ということだ。

さらになにがすばらしいって、この高輪橋架道橋、ごらんの通り天井高がぴったりぼくの身長と同じなのだ。

ここ高輪橋架道橋世界において高身長の者には、腰をかがめて一生を送らざるをえないという淘汰圧がはたらき、何世代か後には165cmがもっとも高身長ということになるだろう。

ああ、このままここから出たくない。世界中が高輪橋架道橋の下になってしまえばいいのに!


今回、移動しまくりです。ガード下のために。

作尻架道橋へ。名前もすてき。作尻。

残念ながら現実には、いつか高輪橋架道橋世界をあとにしなければならない。短い天下であった。三日天下、いや、1時間天下である。というか、1時間もいたのか、ってはなしですよね、ガード下に。

さて、次に向かうのは作尻架道橋というガードだ。泉岳寺から京急で平和島へ。そこから徒歩15分ほどの場所にある。


これが作尻架道橋。これもなかなかいい!低い!ぜんたいてきにごちゃごちゃしてていい!

街にとつじょ現れたガード下を鑑賞する一団。ものずき!

「作尻」に"FUCK"は取り合わせとして生々しすぎやしないか。

ここでもみなさんむちゅうです。ものずき!

やはり自転車の方はたいへんそう。ご苦労様です。

でました、計測。うれしそうだ。なんでそんなに計測が楽しげなのか。

しらべてみたらこの作尻には、ある秘密があった。


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