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フェティッシュの火曜日
 
沖縄のバヤリースは味もメーカーも違う

「(しぶい)」って味の話ですかね、それとも野菜の名前?(本文とはあんまり関係ありません)


ちょっと前にイオンの記事を書いたんだけど、そのとき調べたところによると、沖縄のジャスコはイオン株式会社ではない。琉球ジャスコ株式会社という、イオンのグループ会社がやってるのだ。

この手の「沖縄だけ別会社」っていうパターンはけっこう多いらしい。 なぜだ。我々になにか隠し事をしているのではないか。

沖縄出張ついでに現地の様子を見てきました。

(text by 石川 大樹


 

スーパーに見る「沖縄だけ別」

いろんな会社で「沖縄だけ別」現象がみられるのだが、たとえば食品メーカーなんかもそうだ。沖縄のスーパーで探してみた。


おなじみ森永。関係ないけど特保のマークは「うしろから銃で撃たれた人」に見えてしかたがない

裏を見ると、製造者が沖縄森永乳業株式会社なんですよ


こちらは明治。首里城のマークがついてていかにもといった感じですが

もちろん製造者・沖縄明治乳業株式会社


ちなみに同じ明治でも、明治製菓の方はふつうの明治製菓


ローカルヒーロー「琉神マブヤー」をフィーチャーしたドリンク。ボトル上部のロゴがすでに「OKINAWA ITOEN」だ

裏にももちろん沖縄伊藤園。沖縄に○○園が続くとどうしても観光地っぽいですね。花鳥園とかそっちの。


こっちは東京でもよく見る商品。ロゴにOKINAWAの文字がないので普通の伊藤園かと思いきや

これもやっぱり沖縄伊藤園。伊藤博文の記念館や、伊藤さん(名物職員)とのふれあいコーナーとかがあるテーマパークどうですか


老舗のオレンジジュース、バヤリース。東京でも見かけますが、沖縄ではこれも

沖縄バヤリースだ。(東京にもあるのに「沖縄限定」表示なのは理由があるのですが、それは記事の後半で)


ね、見事に「沖縄だけ別」なんですよ。

たとえば明治乳業のサイトを見てみると、北海道や九州には「北海道支店」「九州支店」がある。でも沖縄だけは「沖縄明治乳業株式会社」。支店じゃなくて別会社なんですね。

東京もん視点のはなしだけど、自分の会社がこういう組織になってると、支社出張はしょっちゅうあっても沖縄出張はめったにない。ということで運良くその機会を手にした人はみんなにものすごくうらやましがられる、イコール、お土産代がかさむ、なんてことが起きがちだ。

なんで知ってるかというと、僕の前職もこのパターンだったから。メーカーじゃなくてシステム会社だけど。今回の記事は食品と小売りしか見なかったけど、このパターンって、実はいろんな業種であるのかもしれない。

 


なんとなく木の茂り方が南国っぽい琉球ジャスコ

ジャスコの光と陰

で、ジャスコですよ。日本の国民的スーパーと言っても過言ではないが、琉球ジャスコの存在により、その裏側は決して一枚岩ではないことが判明した。全国に300店舗を越える巨大チェーンの、思わぬ弱点である。ここを叩けば必ずボロが出るはずだ。

※一枚岩じゃないとか弱点とかボロとか言いたかっただけなので、今後そういう緊迫感のある展開は特にありません。


写真は東京のジャスコ。紳士フォーマルのコーナーは半袖ワイシャツが前面プッシュ

いっぽう琉球ジャスコはかりゆしウェア押し。形態安定のがあるのか!


ほんとに沖縄そばばっかり売ってて驚いた。あたりまえといえばあたりまえですが

ゴーヤの在庫量、そして減り具合も当地ならでは


食品売り場の一角、こんな巨大なお土産品コーナーは東京にはないよね

ちなみにですが、プライベートブランド・トップバリュは、東京都同じイオン株式会社のものだった


売り場は沖縄感はたっぷりだ。ただ、考えてみると、品揃えに関しては会社の違いというよりもただの地域差という気もしないでもない。東京のジャスコと岐阜(僕の出身地です)のジャスコだって品揃え違うしな。

それよりも、あー、別の会社なんだなー、と実感したのはこちら。


制服に注目。東京はグレーの半袖+エプロンという格好ですが

沖縄はかりゆしウェア!


こういう制度的なところで違いがあると、グッと別会社の実感がわく。

ほかにも、


沖縄っぽい独自のキャンペーンもあり


全体に、「じわじわと」という感じで琉球ジャスコ色はにじみ出ていた。

 

 

余談ですが僕は沖縄で街路樹に植わってるこの木がすごく好きです。ホウオウボク。で、その奥にあるのがauショップ。

電話も「沖縄は別」

つぎは電話部門、auだ。全国的にauブランドを展開してるのはKDDIなのだけど、沖縄だけは子会社の沖縄セルラー電話株式会社なのだ。

カメラ片手にauショップをのぞいていたら、親切な店員さんがいろいろ教えてくれた。


さて問題、沖縄セルラーのお店かKDDIのお店か見分けるにはどこを見たらいいでしょうか?(いま自分が何県にいるか知らない前提でお答えください)

正解は看板。オレンジの「au」の右端に、青い四角で社名が書いてあるんです


店員のお姉さん(かりゆしウェア着用)によると、沖縄セルラーもKDDIも、携帯料金は一緒。機種のラインナップナップも一緒。ただし沖縄独自のキャンペーンがあったりするそうだ。


沖縄限定キャンペーン、au夏市。新規や機種変で割引があります

「地元に全力!」、前面に押し出された沖縄愛


これが沖縄限定のauのキャラクター、auシカ!。「!」までコミで名前みたいです

かわいいのでもう一枚


ジャスコのじわじわとにじみ出るような琉球ジャスコ色に比べ、auは力強く地元色を打ち出してる感じがする。なにしろauシカ!だ。指先までピンと伸びてるぞ。

 

 

外見は完全にローソン。うちの近所にあっても全く違和感ない

コンビニ業界の「沖縄だけ別」

そしてお店巡りはこれで最後。ローソンだ。

本州のローソンは株式会社ローソンだけど、沖縄のは株式会社ローソン沖縄。

これがいちばん沖縄独自の主張がなくて、「ローソンはローソンですから」という淡泊さを感じました。


入り口すぐのところに沖縄限定商品の棚があったり

モッシュする沖縄そば。壮観。


確かに沖縄だけど、こういう品揃えの違いは、さっきも書いたように会社の違いというよりただの地域差に見える。もっと「社名が書いてある」「制服が違う」みたいな、組織の違いが透けて見えるところはないだろうか。


HOTメニューを見ても見慣れた感じ

レシート見ても沖縄ローソンの文字はなかった


いろいろ店内を見てみたけど、品揃え以外の部分で特に違いは見られず。地元のローソンが急に沖縄フェアーやり出したらこんな感じかなー、という。

でもあとでわかることだけど、結局はその品揃えの部分が、別会社になってる何よりの理由だったりするんですよ。…と含みを持たせつつ、いったん次の話題へ。

 

 

飲み比べです

たとえばカップうどんなんかは関西と関東でダシの味が違いますよね。同じ会社がやっててもそうなのに、ましてや別会社なら…。

沖縄で買ってきた沖縄企業のドリンクと、東京で買った同じ商品の飲み比べをしてみたい。編集部のメンバーに声を掛けて、みんなで飲んでみた。


左が東京で買ったもの、右が沖縄のもの。ボトルと缶なのは僕が見つけられなかったからです…。


シャッフルして飲んでも一口でどっちかわかるくらい違いました

伊藤園は違うようで同じ?

まずは伊藤園の緑の野菜。パッケージデザイン、そして中身をコップに注いでみた段階でも、全く同じ飲み物に思える。

でも、飲んでみて驚いた。味が違う。伊藤園のほうは普通のフルーツジュースっぽいのに対して、沖縄の方がちょっと独特な味がするのだ。

編集部での評価をまとめるとこう。

・ルートビアとかのエキゾチックな感じ
・香りがちょっとスパイシー
・草っぽさがある
・健康によさそう
・遠くにリンゴの味

ただし、伊藤園のお客様センターに問い合せてみたところ「中身は同じですよ」とのこと。

もしかしたら長距離の輸送&常温保管で、賞味期限内とはいえ鮮度が落ちていたことも考えられる。あとはパッケージ形態の違いも影響するかも。これに関してはちょっとよくわからずじまいでした…。

 

バヤリースはそもそも別物

続いてバヤリース。探してみてから気づいたのだが、東京のバヤリースはアサヒ飲料だった。本州ではバヤリースは社名じゃないんですね。

さらにさらに意外なことに、2つのバヤリースオレンジは全く別物だった。果汁の量からしてアサヒ飲料は20%、沖縄バヤリースは10%。


色も全然違うんですわ

パッケージも。左が沖縄。バヤリース坊やの表情が、沖縄の方がアダルト!


飲み比べてみての評価はこう。

・どっちのほうがどうとかじゃなくて、全く別物だ
・アサヒ飲料のほうは青果の味、沖縄はアメっぽい
・アサヒの方がモッタリしてる
・沖縄の方はチェリオか、外国のオレンジジュースの味
・(沖縄は)オレンジ味のドンパッチの味!


飲み比べのとき両手に持っちゃう人ってせっかちっぽい感じしますね

「外国のジュースみたいだ!」って言ってる自分のシャツがいちばん外国っぽい林さん。インドで購入


どうしてこんなことに!とその経緯を調べていたところ、そのものズバリのこんなページに行きあたってしまった。「沖縄だけちょっと企業名が違うわけ」。要約すると、

アサヒ飲料が沖縄でのバヤリース販売権を持ってなかったから

ということのようだ。

 

「沖縄だけ別」の理由

上記の記事では、さらに他の会社にも言及されている。また要約してみよう。

沖縄伊藤園:沖縄で完結させた方が流通や生産の効率がいいため

沖縄セルラー:地元密着の商売をするため

なるほど!そういうことだったんですね!…と深く納得してこの原稿を締めそうになってしまったが、他のサイトを引用して終わり、というのもあんまりですよ。ここに書かれてない会社もちゃんと調査しました。

沖縄明治乳業の場合…
地元の牛乳を地元で売りたい(地産地消ってやつですね)ため。そしてそれを新鮮なうちに販売したいという流通上の理由も。(ちなみに明治乳業とは商品ラインナップ自体が別のものだそうです)

ローソン沖縄の場合…
現地企業との合弁会社のため。
もともと沖縄にもローソンはあったのだけど、本州とは売れる商品も値段も違う。そこで、2009年に沖縄の企業「株式会社サンエー」と業務提携→合弁会社設立の流れで、株式会社ローソン沖縄が誕生した。

ということで、今度こそ、「なるほど!そういうことだったんですね!」でこの原稿を締めさせていただきます。


行き着くところが地元指向

「税金が安いから」みたいな(たとえばね)そういうわかりやすい理由があるのかと思っていたけど、実際は企業ごとに様々だった。

ただ理由はどうあれ、最終的にみんなが地元志向に落ち着いてるっていうのはおもしろいですね。

おまけ。おなじみスパム。


沖縄のスパムの輸入者は沖縄ホーメル


東京では伊藤忠なのだ。沖縄のスパムが安いわけがわかった。

 


 
 

 

 
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